愛犬を呼んでも来ない、なでようとすると逃げてしまう…そんな声が飼い主さんからあがることがあります。
これは一体なぜなのでしょうか。
遊びの中で興奮して逃げることもありますが、実は不安を抱えている場合もあるのです。
勢いよく逃げてしまうことが普段から多いと事故やケガに繋がることもあるため、原因からしっかりと対処しなければなりません。
なぜ逃げてしまうのか、という理由を知り、逃げることへの対処法もご紹介していますのでぜひ役立ててみましょう。
すでに家族の一員という方はもちろん、これから愛犬をお迎えしたいと考えている方にも参考にしてみてください。
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目次
犬が逃げる理由は主に2つ
犬が逃げる理由は主に以下の2つだと言われています。
- 飼い主さんと触れ合う中で嫌な思いをした記憶がある
- 飼い主さんが遊んでくれていると思っている
もちろんお迎えしたばかりで、飼い主さんとの関係性がない場合を除きます。
家族としてある程度一緒に暮らしているのに逃げる、という場合には後天的な原因があると考えられます。
飼い主さんと触れ合う中で嫌な思いをした記憶がある
例えば爪切りなどのお手入れがとても苦手な子は、いつ呼んでも逃げてしまう、ということはないでしょうか。
これは爪切りについて「呼ばれて行くことで嫌なことに繋がる」という風に学習しているため。
抱っこの方法や撫でるなどのスキンシップのやり方が好きではない、という場合も考えられます。
私たち飼い主の関わり方が愛犬にとって、心地いいものではない場合に逃げることがあるようです。
飼い主さんが遊んでくれていると思っている
犬は追いかけっこが好きなので、以前に逃げた時に飼い主さんが追いかけてくれたことで、また遊んでもらおうとしている場合があります。
この場合、逃げている理由が遊びになるので、必ずしも改善しなければいけないというわけではありません。
ただ、飼い主さんがある程度コントロールできる、というのはトレーニングしておく必要があるでしょう。
「逃げる」と一口に言っても理由によって対処法が変わってきます。
細かい原因をしっかりと知って、愛犬にとって適切な対策をしていきましょう。
愛犬に逃げられる原因
犬が逃げてしまう原因を詳しく知っていきましょう。
私たち飼い主にとっては何気ないことが原因になっている場合もあるようです。
どんなことが原因になっているかがわかると、愛犬への接し方も変わります。しっかりチェックしておきたいですね。
抱きかかえられ方に不安を覚えた
犬が嫌がる接し方のひとつに、真上から覆い被さるようにして抱き上げるというものがあります。
私たちにとっては犬とのコミュニケーションをとる時にごく当たり前の行動と感じられますが、犬にとっては違っています。
犬種によって体の大きさが違うので、一概には言えない場合もありますが、やはり小型犬はこのような行動をとられると恐怖心が先に立つようです。
愛犬を安心させるような正しい抱きかかえ方ではなく、急に抱き上げたり、不安定な抱き方だと、恐怖心を与えてしまい、警戒心にも繋がります。
これらの嫌だと感じた経験から、抱っこをされるのが怖くて逃げてしまうことに繋がってしまうのです。
執拗にスキンシップされるのが苦手
犬は全体的に飼い主さんによくなつく子が多く、撫でられることも好きなタイプが多いとされています。
しかし落ち着いて過ごしたい時にしつこく構われてしまうと、それは愛犬にとって嫌な経験に変わってしまいます。
かわいがりたい気持ちからついつい構いすぎてしまうことの無いように注意が必要ですね。
スキンシップは私たち飼い主からの一方通行にならないよう、気をつけなければいけません。
愛犬の体調や様子をしっかりとみて、愛犬にとって心地いいと感じてもらえるスキンシップにするのが良いでしょう。
トラウマや経験から叱られると思っている
愛犬が何かしらのイタズラをしていたので、呼んで叱ったという経験はないでしょうか。
一見、しつけとして当たり前だと思えるこの行動も、実は逃げる原因になることがあります。
他の原因と同様に「呼ばれて行ったら嫌なことがあった」と覚えてしまいます。
愛犬を呼びよせてちらへ来た状態で叱ることがあると、次に呼んだ際に「また叱られるから逃げよう」という考えになってしまうのです。
なでようとして逃げるのは警戒心のサインかも
なでようとして逃げる時には、遊びに誘っていることも考えられます。
しかし、愛犬にとって苦手な触り方をしてしまっている場合もあるので、自身の接し方について振り返ってみることが大切です。
体高の低い犬にとって立った状態の人間の手が上から伸びてくるのは、やはり恐怖心に繋がることでしょう。
私たちは座った状態で愛犬のアゴの方からなでるようにし、警戒心を抱かせないように接していくことが良いです。
頭をなでられるのが苦手な子も多い、ということも考慮して接し方の見直しをしてみましょう。
叱ってばかりだと褒めたときに無視されることも
トレーニングやしつけの際にしっかりと褒めている飼い主さんの愛犬は、「もっと褒めてもらいたい」という気持ちが強くなります。
しかし、いつも叱ってばかりの飼い主さんだと「呼ばれて行ったり、指示を聞いても楽しくない」と愛犬が学習してしまいます。
ひどくなると飼い主さんに対して関心がなくなり、注意を向けることがなくなってしまったり、さらには褒めても無視されることも。
トレーニングやしつけであっても、「きちんとできることは楽しい」という気持ちを作ってあげるようにしないと、逃げる原因に繋がってしまうことがあります。
お手入れされるのが苦手
お手入れは愛犬のために行うものですが、説明して必要性を理解してもらうことはできません。
そのため必要なことでも嫌がってしまうものです。嫌がることの多いお手入れは以下のものが多いです。
- 爪切り
- 歯磨き
- ブラッシング
- 耳掃除
これらは子犬の頃から習慣化していないとどうしても慣れずに、苦手になってしまう場合が多いです。
しかしどれも愛犬の健康を守る上で必要なお手入ればかり。「嫌なこと」と感じ、逃げる原因になってしまっては困ります。
小さなうちから慣れてもらうようにして、スムーズに進められるようにしましょう。
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飼い主さんと遊んでいると思っている
犬が逃げた時に大きな声を出したり、追いかけたり。このような行動も私たち飼い主はついやってしまいがちですね。
しかしこれでは逃げるのをやめるどころか、逆効果です。
愛犬はこちらが必死に追いかければ追いかけるほど、「遊んでもらえている」と思ってしまったり、オーバーリアクションをするのは驚かせてしまい、ますます逃げることにもつながってしまいます。
大切な愛犬が逃げれば慌てて追いかけたくもなりますが、冷静に落ち着いて対処するようにしましょう。
駆け回ったりして楽しく遊んでいる状態でも、飼い主さんの指示をしっかりと聞けるように日頃からトレーニングしておきたいですね。
愛犬に逃げられないような接し方
では実際に対処法をチェックしていきましょう。
「呼ばれて行ったら嫌なことがあった」と考えて逃げようとしている愛犬に「よばれて行ったら楽しいことがある」と改めて学んでもらわなければなりません。
私たち飼い主も自身の行動をしっかり見直して愛犬と向き合いましょう。
また、触られるのを嫌がるときは病気やケガで痛みがある場合も考えられます。そのような場合は早めに動物病院を受診するようにしましょう。
正しい抱き方をマスターする
抱っこされること・抱き上げられることが嫌な経験になって逃げている場合は、私たち飼い主や一緒に暮らす家族が抱っこの方法を学び直す必要があります。
突然、真上から抱き上げられると犬は恐怖心を感じてしまいます。ゆっくりと手を出して声をかけながら、しっかりと愛犬のお尻を支えるようにして抱っこをすることを心がけましょう。
また、愛犬の体が不安定にならないように密着しているかもチェック。縦になっていると足腰に負担がかかってしまうので、この点にも注意が必要です。
逃げずに抱っこが成功したら、すぐに褒めてあげることもとても大切ですよ。
抱っこに対して抵抗がなくなれば、咄嗟の場合や危険な場合などさまざまな場面での行動がスムーズにできるようになりますね。
適度な距離感でスキンシップをとる
気分が乗らない・落ち着いて過ごしたい気持ちのときは私たちはもちろん、愛犬にもあります。
ゆっくりしたい気分の時に、好き勝手に撫でられたりスキンシップされたりすれば、なでられること自体が「嫌なこと」とインプットされても仕方ありません。
普段から愛犬の様子や状態をしっかりと見ておくと性格や行動パターンやなどが掴めてきます。
今どんな状態か、ということを考えながらスキンシップをとるのが良いでしょう。
スキンシップは本来、愛犬にも私たち飼い主にとっても大切で楽しい時間です。
愛犬にとって心地いい時間になるように様子をしっかり見ながらスキンシップをとるようにしていきましょう。
お手入れは少しずつ時間をかけて行う
小さいうちから習慣化していないと、どうしても嫌がってしまうのが耳掃除・爪切りなどの体のお手入れです。
成犬になっても時間をかければ慣れることが可能なので、ゆっくり進めてトレーニングしていきましょう。
- お手入れに使う道具を見せ、においを嗅がせておく
- ゆっくり声かけする
- 触れられること自体に抵抗をなくす
まずは上記のようなポイントを心がけましょう。
細かく褒めながら進めて、成功したタイミングごとにご褒美をあげていくとさらに効果が高まります。
決して強く触ったり、大声を出したりしてはいけません。
愛犬にしっかりと安心感を与えて「お手入れをすると良いことがある」と学習してもらうことが大切です。
屋外で愛犬が脱走しないための対処法
愛犬が逃げてしまうことで最も困るのは、それが屋外で起こったときです。
以下は屋外で多い、犬が逃げてしまうパターンです。
まずはこれらが起きないように予防策をしっかりと施しておくことが重要になります。
- 屋外飼育で首輪やリードが切れて脱走してしまった。
- 散歩中に首輪が外れたりリードを離してしまい、そのままどこかへ行ってしまった。
いつも使用しているリードや首輪などのグッズは、案外劣化していたり弱くなっていることに気づきにくいものです。
定期的に強度を見直して、使用に耐えられる状態なのかを確認するようにしましょう。
完全屋外飼育をする場合は、普段からつけっぱなしになりがちなリードや首輪などが傷みやすいため、注意が必要です。
散歩中に首輪が外れて脱走するのを避けたい場合は、ハーネスタイプのリードや、引っ張る力が強い子や興奮しやすい子には、ダブルリードを使うなどの見直しも行っていきましょう。
家の環境を見直す
屋外で飼育する場合は専用のフェンスなどもあるのでそれらを活用しましょう。
ペット用ゲートなどを取り付けたりなど、家や周辺の環境がどうなっているかしっかりと見直さなければなりません。
簡易的につけられるドアや網など、脱走防止に役立つグッズは多数販売されています。
家の環境にあったものをリサーチして、まずは逃げない環境づくりから行うことも大切です。
正しいしつけを徹底しておく
愛犬が逃げてしまっても呼び戻しができるのであれば安心な場合が多いでしょう。
呼び戻しができない時は、信頼関係ができているか・アイコンタクトが取れるかというしつけのファーストステップからをもう一度見直すことがとても大切です。
「呼ばれて行くと楽しいことがある」と学習している状態の愛犬には、きちんとしたしつけが入っているということでもあります。
普段から正しいトレーニング・しつけを適切に行っておけば、逃げてしまった場合でも呼び戻すことが可能な場合がほとんどです。
しつけは愛犬の身を守ることにも繋がります。
大切な家族である愛犬のためにも正しいしつけを徹底しておきましょう。
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頑丈な首輪や胴輪、リードを着用する
出典:Amazon
力がかかった時に切れやすいリードや首輪を使用していないか、しっかり確認をしてみましょう。
屋外で逃げてしまう多くの場合は、これらの普段使っている道具の破損です。
どんな素材であっても劣化していたり、何度も噛んでしまって傷ついていると破損する原因になります。普段からチェックしておき、劣化や破損がないか確認してみましょう。
ハーネスなどの体を包むようなものと一体になったリードなど、抜けにくい・壊れにくいものを選ぶようにしましょう。
愛犬にぴったりフィットして、かつ安全性の高いものをいつも使うようにしてください。
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愛犬が脱走してしまったら各施設に連絡する
もし、愛犬が逃げてしまい、行方が分からなくなってしまったらまずは以下の施設へ連絡をしましょう。
- 警察
- 保健所、動物愛護センター
- 動物病院
上記の施設に保護された際に連絡をもらえるよう、特徴や逃げた場所などをしっかり詳しく伝えておくことが大切です。
また、中型~大型犬になると移動範囲が広くなる場合があります。
住んでいる場所の施設だけではなく、隣の市町村など広範囲に連絡しておくことも良いでしょう。
犬に関する情報が集まりやすい、トリミングサロンやドッグカフェ、ペットショップなどに問い合わせてみるのも良いですね。
SNSなどで情報を探すことも効果的
近年では保護した犬についてSNSで発信している人もいます。SNSを使って情報を集める・探すことも効果的でしょう。
最近では行方不明になってしまった愛犬・愛猫のために、色々な人が協力してくれるようになってきています。
ペットの病気やケガを補償するペット保険の中には、迷子捜索を専門に行うペット探偵サービスが付帯されているものもあります。
万が一を考えてこのような保険に加入しておくのもおすすめです。
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近所の人へ声かけを行う
愛犬を散歩させていると、近所の人にあいさつをする機会も増えるものです。同じように愛犬がいるご家庭同士では、特に顔見知りになったりもしますよね。
逃げた愛犬は意外に自宅の近くにいたり、すぐ近くまで戻ってきている場合もあります。
逃げてしまった際に近所の人に伝えておくことで、情報を提供してもらえたり保護してもらうというパターンも多いようですよ。
愛犬の詳しい特徴を伝えておいたり、「いつ逃げてしまったのか、逃げた状況」などを話しておくようにしてみると良いでしょう。
愛犬が逃げる原因を探って接し方を見直そう
愛犬が逃げる、という行動の裏には私たち飼い主の接し方に問題がある場合があります。何がその原因となっているのかを、まずはじっくりと考えてみましょう。
私たち飼い主の接し方が原因となっているのであれば、今までの行動をしっかりと振り返る必要があります。
愛犬との信頼関係がきちんと作れているか・しつけやトレーニングが適切に行えているかなど基本的な点も、改めてチェックしましょう。
愛犬は言葉を話せない分、行動で表現します。そういった行動でのサインを見逃さずに対処してあげることで、愛犬にとっても私たち飼い主にとっても快適で楽しい毎日になっていくのではないでしょうか。
「飼い主さんに呼ばれること=楽しいことがある」と愛犬が学んでくれるように、適切な接し方を日々心がけていきましょう。
この記事の執筆者
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