バセンジーってどんな犬種？特徴や性格・習性、適切な飼い方

 その他情報

原産国	コンゴ共和国
犬種グループ
大きさ	中型
平均寿命	12歳前後
なりやすい病気	ファンコーニ症候群,鼠径ヘルニア,臍ヘルニア,股関節形成不全
参考価格	20万円前後

被毛

抜け毛	平均的
毛質	スムースコート
毛色	ブラック,タン&ホワイト,ブリンドル,ピュア・ブラック&ホワイト,レッド&ホワイト,ブラック&タン&ホワイト

バセンジーの体高・体重

体高	男の子：43cm 女の子：40cm
体重	男の子：11kg 女の子：9.5kg

ジャパンケンネルクラブは、成犬になったバセンジーの体高を40cm～43cm、体重を9.5kg～11kgと定めています。体長と体高はほとんど一緒です。

柴犬程度の大きさで、中型犬に分類されています。

中型犬の中でもかなりスラッとしている体格で、ピンと張った耳が特徴的でもあります。

バセンジーの毛色・被毛

被毛は短毛でシングルコート。滑らかで光沢のある毛質をしています。

毛色は上記のカラーで、足と胸、尻尾の先端部分が白いことが大きな特徴です。

もっとも多く見られるのがレッド&ホワイトで、足、胸、尾の先端にはホワイトが入っている必要がある、とJKCで規定されています。

バセンジーの運動能力

狩猟犬だったため運動能力が非常に高いです。

身体は柔軟で筋肉がしっかりついた体つきをしており、俊敏さもあります。

ジャンプ力に長けているため、低いサークルなどは軽々と飛び越えてしまいます。

基本的には無駄な肉付きも一切なく、とてもスリムで引き締まっているのが身体的な特徴だと言えるでしょう。

バセンジーの平均寿命

バセンジーの平均寿命は約12歳程度といわれています。

個体により差はありますが、中型犬の一般的な平均寿命です。

ただ、犬種全体での平均寿命で見ると約15歳なので、一般的には少し短いと言えます。

バセンジーの注意したい病気の一例

バセンジーがなりやすいとされている病気は以下の4つです。

ファンコーニ症候群	腎臓に障害が起きて、体に必要な成分が尿と一緒に排出される。
鼠径ヘルニア（そけいへるにあ）	お腹の中の臓器や脂肪が足の付け根にある隙間から飛び出している。
臍ヘルニア（さいへるにあ）	おへそ部分から脂肪や腸などが飛び出している。
股関節形成不全（こかんせつけいせいふぜん）	股関節がゆるみやすくなる病気で、歩行に異常が出る。

他の犬種と比べて聞き慣れない病気などもありますが、把握しておくと良いでしょう。

ファンコーニ症候群

腎臓の機能不全が起こる遺伝性の病気。とても稀な病気で特定の犬種が発症しますが、代表的な犬種としてバセンジーがよく挙げられます。

この病気で、体に必要な成分であるアミノ酸やミネラルなどが尿によって排出されます。

これにより、生命に必要な機能を維持できなくなり、上手く病気と付き合っていかないと最終的には命を落とすことに。

初期の症状は以下の通りです。

悪化すると以下のような症状がみられます。

アメリカではバセンジーの約1割がこの病を発症しているともいわれています。

対症療法でこの病気と付き合っていきます。

鼠径ヘルニア（そけいへるにあ）

後ろ足の付け根にある隙間から、お腹の脂肪や臓器が飛び出す病気。

先天性によって起きるものや事故によって発症するものに分けられます。

軽度の場合は無症状ですが、悪化すると以下の症状がみられます。

先天性の原因は不明ですが、遺伝的なものだと考えられています。

鼠径ヘルニアを予防することは不可能に近いので、早期発見が重要です。

治療方法は外科手術になります。

上記の症状に加えて、後ろ足の付け根付近の膨らみが気になれば、早めに動物病院を受診しましょう。

臍ヘルニア（さいへるにあ）

臍下の筋膜に穴が空いており、お腹の中の脂肪や臓器が飛び出す病気。

本来、へその緒が切れると空いていた穴がふさがりますが、この病気になる場合、その過程がうまくいかず脂肪や臓器が出てきてしまうことに。

臍ヘルニアは先天性の病気で、遺伝が原因といわれています。

脂肪が出ている場合は特に症状もなく、問題もありませんが、腸が出ている場合は症状が出ます。

症状は以下の通りです。

治療方法は外科手術でお臍の穴を塞ぎます。

臍ヘルニアは最悪の場合、命に関わる病気になるため、異変があれば動物病院に連れていきましょう。

股関節形成不全（こかんせつけいせいふぜん）

股関節の形に異常がみられる病気。

遺伝が原因の先天性のものや、発育段階で骨の成長がうまくいかなかったときに発症します。

骨同士がうまく合致しないことにより、炎症を起こし痛みを生じる場合がほとんどです。

症状は以下の通りです。

日常的な行動の変化も見られるため、比較的わかりやすいでしょう。

治療方法は内科的治療または外科手術です。

バセンジーの性格・習性

バセンジーはそのスラッとした体型からクールに見られがちで、実際に性格もそういった面が反映されています。

主に3つの性格・習性についてご紹介します。

とても賢く独立心が強い

狩猟犬ということもあって、知性があり独立心が強いです。頑固でマイペースな性格をしており、猫のようだといわれることもあります。

基本的に落ち着いていて冷静沈着なので、やんちゃな部分はほとんどありません。

見た目通りの賢さなので、初めてお迎えする人でもトレーニングで困ることは少ないでしょう。

ほとんど吠えることはない

落ち着いた性格であるため吠えることはほとんどないです。

また、バセンジーは「ワンワン」と吠えません。

高い声や低い声を出して鳴くため、アルプス地方特有の歌い方である「ヨーデル」によく例えられています。

吠えないから静かだと思われがちですが、遠吠えのように長く「クゥーン」と鳴く姿に驚くこともあるでしょう。

飼い主さんに従順だが、他人には懐きづらい

バセンジーは基本的に警戒心が強いため、心を開いた相手にのみ忠実です。

用心深く慎重な部分が強いため、飼い主以外の人に対しては距離を取り、警戒した様子を示します。

他の動物にも同じような行動をとるため、多頭飼いには不向きでしょう。

その反面、飼い主には寄り添ってくれる犬種なので、その特別感がたまらないと感じる人も多くいるはずです。

バセンジーの誕生の歴史

飼い犬としての歴史は、紀元前3000年ごろの古代エジプトにまで遡ります。

古代エジプトの王であったファラオにバセンジーが贈られたという話もあり、長きに渡り人々と暮らしを共にしてきました。

古代エジプトが滅亡したのち、イギリスの探検家が中央アフリカにてバセンジーを発見します。

アフリカにあるコンゴのピングー族が、バセンジーを狩猟犬として一緒に狩りをしていました。

数千年という長い時間がありながら、バセンジーの純血は保たれてきました。

バセンジーは1985年にイギリスに渡り、1937年ごろからイギリスやアメリカで飼育されるようになります。

そして「吠えない犬」として世界に認知されていったのです。

バセンジーと繋がりのある犬種

歴史を辿っていくと、バセンジーとの接点がある犬種が2匹います。

ファラオ・ハウンド

ファラオ・ハウンドの起源は、バセンジーと同じ古代エジプト時代です。

被毛や骨格、直立の耳などバセンジーと似ているところが多く、血縁関係であると考えられています。　

バセンジーより一回りほど大きいです。