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猫の発情期とは?女の子と男の子の症状の違いや対処方法を解説

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猫の発情期とは?女の子と男の子の症状の違いや対処方法を解説

「猫の恋」と言えば、俳句の世界では春の季語。立春(2月4日か5日)の頃に発情し始めた猫の鳴き声を聞くと、昔の人は春の訪れを感じたようです。

けれど、室内飼いが増えた現代では、愛猫の大きな声が近所迷惑にならないかと飼い主さんをハラハラさせ、中には発情すると攻撃的になる子も…。

そこで今回は、愛猫も飼い主さんも安心して幸せに暮らすための、猫の発情に関する知識と対処法についてお届けします。

この記事の結論

  • 猫の発情期は日長が長い時期に訪れる
  • 猫の発情期間は平均7日~20日
  • 猫の男の子には発情期が存在しない
  • 発情期を落ち着かせるには、避妊・去勢手術が効果的

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目次

猫の発情期とは

犬は約6ヶ月~10ヶ月の一定周期で発情期を迎えますが、猫は春から秋にかけて発情期となります。

日照時間の長さが猫の発情と関係しているからで、早ければ1月頃に訪れ、2月~4月と6月~8月がピークで9月頃まで続きます。

そのため、猫は「季節繁殖動物」と呼ばれ、馬、羊、うさぎ、フェレットなどの仲間です。

また、猫や馬などは長日繁殖動物といい、日長が長くなると繁殖を行う動物でもあります。

反対に羊や山羊、エゾシカなどは短日繁殖動物といい、日長が短くなると繁殖を行う動物です。

女の子が性成熟を迎えるのは生後6~10ヶ月頃が一般的

では、猫は何歳頃、最初の発情期が始まるのでしょう?

もちろん、個体差はありますが、女の子は生後6ヶ月~10ヶ月頃とされ、生後12ヶ月以上を経てから初の発情期を迎える子もいます。

男の子は生後3ヶ月頃から性成熟が始まりますが、交尾可能な体へ準備が整うのは生後9ヶ月~12ヶ月頃とされています。

発情期は日照時間が長い春から夏に迎えやすい

実は、猫の女の子には発情期がありますが、男の子に決まった発情期はありません。

女の子の猫は日照時間が1日12時間を超えると発情が始まるとされ、その女の子の鳴き声やフェロモンに誘発されて男の子が発情します。

日照時間が長くなる2月頃から日照時間が短くなって繁殖期が終了する9月頃まで、約4日間~10日間の発情期を何度か繰り返します。

室内の電気などでも発情期は引き起こされる

日照時間のコントロールにより、女の子の猫は何回でも発情期を迎え、妊娠することが可能です。

太陽光だけでなく電灯の光にも反応することがわかり、ペットブームの中、この習性を利用して子猫の量産化を企てるブリーダーも現れました。

いわゆる「キトンミル(子猫工場)」と呼ばれる悪徳業者で、1日に長時間光を当てて1年に何回も妊娠・出産させ、その母猫は体がボロボロになります。

犬と違い、猫に女の子の生理(ヒート)はない

犬の女の子は発情期に差し掛かると人間の生理同様、陰部から一定期間の出血がありますが、猫の女の子にはそれがありません。

猫の女の子には、発情期になると以下のような行動が見られます。

  • 大きな声で鳴く
  • 床や家具などに体を擦り付ける(ローリング)
  • お尻を高く持ち上げる(ロードシス)
  • トイレ以外の場所で排尿する
  • 尿をスプレーする(マーキング)
  • 脱走しようとする

こうした行動が見られるようになってきたら、発情期である可能性が高いと言えるでしょう。

男の子には発情期がない

猫の男の子は発情した女の子の鳴き声やフェロモンをきっかけに発情するので、理論的には単独飼いなら発情しません。

ですが、生後5ヶ月~6ヶ月頃には精巣が発達し、マウンティングに似た行為やマーキングが始まります。

マーキングは自分の縄張りを示すためオシッコをスプレーする行為ですが、この尿臭は掃除してもなかなか落とせないほど強烈です。

また、成猫になると男の子の行動は活発で乱暴になり、女の子を求めて脱走したり、性衝動のストレスから鳴きわめいたり暴れたりします。

繁殖を望まない場合は、できれば男の子猫の生殖機能の準備が整うとされる、6ヶ月齢~12ヶ月齢ぐらいに去勢手術を受けさせてあげましょう。

猫の発情期間と周期

猫の繁殖期(妊娠・出産が可能な時期)は日照時間が長くなる春から秋口にかけてですが、その間に数度の発情期が訪れます。

そのため、猫は繁殖期間内に発情を繰り返す「多発情動物」とされています。これに対して、犬は繁殖期間内に1回のみ発情する「単発情動物」です。

また、犬は発情期のホルモンの働きによって排卵する「自然排卵動物」ですが、猫は交尾の刺激により排卵が起こる「交尾排卵動物」とされています。

発情期間は平均7日~20日、繁殖期間中に何回か繰り返す

繁殖期間中、猫の1回の発情期間は平均で7日~20日ほどとされており、発情期が1回のみのこともあれば、3回~4回のときもあります。

1回の交尾で妊娠しない場合もありますが、発情期が複数回あるため妊娠の確率が高く、交尾後の24時間~30時間ほどで排卵し、受精します。

妊娠した女の子の猫は、次の繁殖期まで発情することはありません。

また、女の子の猫には発情期間内にもさらに発情前期→発情期→発情後期というサイクルがあり、発情休止期を経て次の発情期を迎えます。

発情前期(約1~5日間)

発情が始まるプレ期間のことで、女の子の愛猫はいつもより行動が活発になったり、かと思うと甘えん坊になったり、排尿の回数が増えたりします。

ただし、この時期はまだ交尾できる態勢になっていませんので、男の子の猫が寄ってきても拒否します。

食欲不振になったり、粗相してしまう子もいますので、妊娠を望まない場合はできるだけ初めての発情期前の生後半年ぐらいに避妊手術をしてあげましょう。

発情期(約4~10日間)

女の子の愛猫が驚くほど大声で鳴き、お尻を高く上げるロードシス行為をするようになったら、男の子の猫を受け入れる準備が整った発情期の始まりです。

発情期になると女の子猫は額、あご、口、しっぽ、足の裏、肛門、足の裏などからフェロモンを発しますが、私たち人間にはそのニオイはわかりません。

男の子猫は、女の子猫の鳴き声やフェロモンが刺激となって発情します。

発情後期(約1~3日間)

発情期に交尾が行われなかった場合や交尾後の排卵が起こらなかった場合、継続してこの時期が訪れます。長い場合は約7日間続くことも。

ただし、発情行動は見られず、女の子の猫は交尾を受け入れません。

女の子猫の体内では、卵巣で新たな卵胞が発育して次の発情期に備える準備がなされます。

発情休止期(排卵しなかった場合は約5~16日間)

その名の通り、次の発情期が到来するまでの休憩期間です。

発情期に交尾の受精により妊娠した場合は発情期が終了し、女の子の愛猫は約2ヶ月後に赤ちゃん猫を出産します。

発情期に交尾が行われなかった場合や妊娠しなかった場合は、繁殖期間内であれば約5~16日間後に再び発情周期が始まります。

猫(女の子)の発情期の特徴

地域によっては猫の発情期を「フケ」と呼びますが、競走馬のメスが発情することをフケと呼ぶパドックでの習慣からきたようです。

牝馬の発情期は日照時間が長くなると始まりますが、猫の女の子も日が長くなる立春の2月4日か5日頃からが多く、早ければ1月中のスタートも。

最初の発情期は早い子なら生後4ヶ月ぐらいで訪れ、遅い子だと生後12ヶ月くらいになります。

女の子猫の発情期の兆候は、以下のようなサインとして現れます。

大きな声で鳴く

発情期の女の子猫は、びっくりするくらい大きな声で鳴きます。男の子猫に自分の存在をアピールするためとされています。

遠くまで響く大音量で長時間鳴き続け、深夜でもお構いなしなので、飼い主さんは眠れなくなるし、近所迷惑にならないかと不安になるくらいです。

本能なので叱っても効果はなく、閉じ込めたりするのは愛猫のストレスになるので、対策としては防音設備を強化するしかありません。

床に背中をつけてゴロゴロ転がる

愛猫にマタタビを与えると、お腹を見せて床をゴロゴロ転がったり、家具などに頭や背中をこすりつけて体をクネクネさせたりしますよね。

発情期の女の子猫もそれと同じようなことをします。ローリングと呼ばれる行為です。

これもまた男の子猫にアピールするためで、フェロモンをあちこちにこすりつけて自分の存在感を高めているとされます。

お腹を床につけてお尻を高く持ち上げる

猫の女の子が、腹ばいの姿勢でお尻を高く上げるポーズをロードシスと呼びます。男の子を受け入れて交配する準備が整った合図だと言われています。

普段でも「腰トントン」や「お尻ポンポン」されると、ほとんどの猫は喜んでお尻を上げますが、発情期はそれをしなくてもこの姿勢を取ります。

発情による場合は、たいてい大きな鳴き声やローリングを伴います。トントンしてあげたくなりますが、発情期のときはそっとしておいてあげましょう。

落ち着きがなくなる

発情期を迎えた愛猫はソワソワして落ち着きがなくなります。

床を転げ回ったり家具に体を擦り付けたりするだけでなく、飼い主さんにもいつもより激しくスリスリしたり甘噛みしたり…。

嘔吐や粗相してしまう子もいますので、病気で苦しんでいる場合と区別がつかず心配なときは、迷わず動物病院へ連れて行きましょう。

いつもより甘えてくる

甘えん坊の子もそうでない子も、発情期になると飼い主さんにすり寄ってくる傾向があります。

可愛くてつい撫で回したくなりますが、それが刺激となってさらに愛猫の発情行為が激しくなってしまうこともあります。

いじり倒したい気持ちをグッと抑えて、愛猫がしつこいようなら少し距離を取りましょう。

尿スプレーをする

オシッコをスプレーするマーキングは男の子猫のテリトリー主張としてよく知られていますが、発情期になると女の子猫もスプレー行為をします。

屋内飼育の場合、玄関や部屋の入口、廊下などの通路が主なスプレー箇所で、自分の存在をアピールする行為なのでニオイは強烈です。

ミドニングと言って、尿ではなく糞をマーキングすることもあります。

発情期のほか、新しい家族やペットが増えたり、転居やリフォーム、飼い主さんと遊ぶ時間が少ないなど、不満や不安を感じる場合に行うこともあります。

脱走しようとする

これまで室内飼いでおとなしく暮らしてきた愛猫なのに、発情期になると外に出たがり、交尾相手を求めて脱走してしまうということがあります。

猫の繁殖期は春夏がピークなので、特に気をつけたいのが扉や窓の開けっ放し。玄関ドアを開けた途端に飛び出す、網戸を破って脱出する子もいます。

迷子や行方不明になったり、交通事故に遭ったりしないとも限りませんから、発情期の脱走には厳重注意です。

食欲減退

発情期になるとホルモンのアンバランスから食欲が減退し、睡眠時間が短くなる子もいます。

また、女の子猫は、妊娠初期や出産前後にも一時的に食欲がなくなることがあります。

愛猫が24時間以上ごはんを食べなかったり、嘔吐や下痢を伴ったり、睡眠不足でイライラして過剰なグルーミングを行うようなら、動物病院へ。

猫(男の子)の発情時の特徴

猫の男の子には決まった発情期がありません。猫の女の子の発情に影響を受けて発情するので、言うなれば成猫の男の子なら年中交配できる状態にあります。

逆に言えば、同居する女の子猫がいない単独・室内飼いの男の子猫なら発情しないはずなのに、たいていの子が発情期特有の問題行動を起こします。

なぜでしょう?

猫の聴覚は人間の約8倍、ニオイを嗅ぎ分ける能力は人間の数万~数十万倍はあると言われます。

成長した男の子猫はたとえ家の中にいても、外にいる女の子猫の発情期の鳴き声やフェロモンを敏感に感じ取ってしまうのです。

大きな声で鳴く

発情した女の子猫の鳴き声が聞こえると、男の子猫は呼応するように「アオーン」「ウアーン」と大きな声で鳴きます。

まるで人間の赤ちゃんが泣いているような鳴き声と言ったら良いでしょうか。

発情期が過ぎて終われば、自然と鳴き止むようになリます。

落ち着きがなくなる

外暮らしや家の内と外を行き来する男の子猫は、発情期の女の子猫を追いかけたり、女の子猫を奪い合ってほかの男の子猫とケンカすることもあります。

何日も帰ってこなかったり、やっと帰ってきたと思うとひどいケガを負っていたりして、飼い主さんを心配させます。

家猫も外にいる女の子猫の気配を感じてソワソワと落ち着きがなくなり、絶えずウロウロ動き回ったり暴れたりすることもあります。

尿スプレーをする

男の子猫の性衝動によるスプレー行為はいつもの排尿とは違い、腰を上げて立った姿勢のまま尾を立てて垂直面にオシッコを噴射します。

性衝動スプレーは女の子猫をおびき寄せるためですから、大変強烈なニオイがします。

玄関や部屋の出入り口、家族やほかのペットが通る通路、新しい家具なども繰り返し標的となりやすいので、スプレーされたらすぐに拭き取りましょう。

女の子猫のところに行こうとする

男の子猫の発情は、発情した女の子猫の鳴き声やフェロモンによって引き起こされますので、交尾しようと女の子猫に近づいたり、追いかけたりします。

男の子と女の子の多頭飼育の場合はもちろん、男の子単独で室内飼育の場合も、外から女の子猫の声がするとそこへ行こうとします。

子孫を増やす自然の本能ですから、叱るのはNG。やめさせるのも難しいですが、発情期が終わって落ち着くのを待つしかありません。

攻撃的になる

男の子猫は発情すると縄張り意識が強くなり、攻撃的になります。多頭飼いの場合、男の子同士でケンカが始まることもあります。

発情期のホルモンの影響で興奮状態にあり、飼い主さんに対しても乱暴になりますので、飼い主さんがケガすることもあるので注意が必要です。

有効な対策方法としては、発情期の間は愛猫たちの生活スペースを分けるか、繁殖を望まないなら適切な時期に去勢手術をすることでしょう。

発情期・発情中の愛猫との過ごし方

うるさく鳴いたり、スプレー行為をしたり…と、愛猫が発情期を迎えると飼い主さんを悩ませる問題行動が多くなりますが、発情期は愛猫自身にとってもストレスです。

愛猫も飼い主さんも少しでも楽に発情期を乗り切れるように、ご家庭でできる対策をご紹介しましょう。

尿スプレーする場所にトイレシーツなどを貼る

出典:Amazon

猫は尿スプレーでマーキングした場所に再びスプレーする習性があるので、ニオイが残らないようによく拭き取っておきましょう。

オシッコ臭の素として知られるアンモニアはアルカリ性なので、酸性のクエン酸で中和するのが効果的です。

クエン酸はドラッグストアなどで手軽に購入できるので、クエン酸を40倍の水で希釈してスプレーした場所に吹きかけ、拭き取ると良いでしょう。クエン酸水を購入するのも良いです。

また、最近の研究で、猫の性衝動スプレーにはフェリニンという物質が含まれ、独特のニオイの素となっていることがわかっています。

愛猫がよくスプレーする場所には、ペット用のトイレシーツなどを貼っておき、スプレーするたびに交換すると、掃除の手間も多少軽減されます。

防音対策をしておく

最近では、防音効果のあるカーテンや窓用シートなども市販されています。

また、コロナ禍で在宅時間が増え、オンラインでのミーティング、レッスン、配信、ゲームする人なども増え、家庭用の防音材も通販で購入できるようになりました。

愛猫が走り回る床には、マットやカーペットを敷くだけでも防音効果がアップします。

ほかの猫と接触しないようにする

男の子猫は、女の子猫の発情した鳴き声やフェロモンをきっかけに発情します。そのため、発情した猫と接触させないようにするのも、ひとつの方法です。

遮音性のあるカーテンなどで窓を覆ったりするのは、そのためにも良いかもしれません。

また、猫は日向ぼっこや外の観察を好むので、お昼寝場所やキャットタワーの設置は窓際が多いですが、発情期中は窓から離したほうが良いでしょう。

たくさん遊んであげる

出典:Amazon

発情期の夜鳴きや大運動会は、飼い主さんにとって悩みのタネ。猫だけでなく、飼い主さんやご家族も寝不足になってしまいます。

昼間や飼い主さん帰宅後の夕方、愛猫とたくさん遊んで疲れさせることで、夜は落ち着いて寝てくれることもあります。

愛猫の睡眠不足が気になる場合は、ペット用の睡眠導入剤を処方してもらえることもあるので、かかりつけの動物病院に相談してみると良いでしょう。

爪とぎ器を増やす

出典:Amazon

尿スプレーだけでなく、爪とぎも猫にとってはマーキング行為のひとつです。

住まいの中の愛猫の動線の要所要所に爪とぎ器を置いてあげましょう。

近頃は壁に貼るタイプのものなど多種多様な爪とぎ器が市販されていますので、愛猫がよく体を擦り付ける場所にはすべて設置することをおすすめします。

甘えてきても構いすぎない

特に女の子猫は甘えん坊になる子が多く、飼い主さんに体を擦り付けたり、抱っこや撫でられるのを要求してきたりします。

普段はツンデレな子だと、うれしくてつい構いたくなりますが、構い過ぎは発情期の問題行動を助長するだけです。

愛猫がしつこく甘えてきても、心を鬼にして無視しましょう。下手に構ってしまうと、その子のためにもなりません。

脱走しないように戸締まりを徹底する

発情期になると、猫は男の子も女の子も交尾相手を求めて外へ出たがります。自然の摂理ですから、しつけで何とか止められるものではありません。

脱走して行方不明になったり、事故に遭ったりしないよう、以下の対策を打っておきましょう。

  • 玄関前には愛猫が飛び越えられない高さの柵を設置する
  • 窓には鍵をかける
  • 網戸は破れにくい材質にするか柵などを設置する
  • ベランダの手すりの隙間にはネットなどを張る

万が一のために猫首輪や迷子札をつけておく

出典:Amazon

2022年6月1日から動物愛護管理法の改正により、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫にはマイクロチップの装着が義務化されました。

つまり、新しく購入した純血種などの愛猫にはマイクロチップが装着されていますが、すでに愛猫と暮らしている飼い主さんに対しては義務ではありません。

マイクロチップは直径1.4mm、長さ8.2mm程度の円筒形のカプセルで、飼い主さんの氏名や住所、連絡先、愛猫の種類などがデータベースに登録されています。

愛猫が迷子になったり被災した場合にはマイクロチップが装着されていたほうが安心ですので、動物病院などで愛猫の皮下へ注入してもらうと良いでしょう。

マイクロチップを装着しない場合は、せめて飼い主さんの名前や連絡先、愛猫の名前などを記載した迷子札を身に着けさせることをおすすめします。

発情期の猫にやってはいけない対処法

何度も繰り返しになりますが、発情は猫にとって自然の営みなので、しつけや訓練でやめさせることはできません。

ときには食が細くなったり、寝不足になったり、愛猫だって苦しい思いをしているのです。

そのことをまずは理解して、発情中の愛猫にしてはいけないタブーも心得ておきましょう。

叱ったり閉じ込めたりする

大きな鳴き声を立てたり、尿スプレーをしたりというのは、飼い主さんにとっては問題行動以外の何物でもありません。

かと言って、叱っても効果がないどころか逆効果。かえって愛猫を刺激して問題を起こします。

特に発情期の男の子猫は暴力的になるので、反逆して飼い主さんにケガを負わせないとも限りません。

狭いところに閉じ込めるのも、愛猫にストレスを与え、嘔吐や粗相をして体調を崩す子もいます。

嵐が過ぎるのを待つように、愛猫の発情期が過ぎ去るのを待ってじっと見守りましょう。

マタタビを与える

愛猫が興奮しているときにマタタビを与えたら、ゴロゴロと喉を鳴らして体をくねらせ、おとなしくなった。…そんな経験のある飼い主さんも多いことでしょう。

発情期の愛猫にもマタタビを与えると落ち着くのではないかと考える飼い主さんも多いようですが、逆に性的な興奮に作用してしまうことがあります。

また、マタタビを過剰に与えると呼吸困難を引き起こし、最悪の場合、命の危険もあるので注意が必要です。

綿棒で陰部を刺激する

女の子猫は交尾による排卵で発情期が終了するので、湿らせた綿棒で陰部を刺激して強制的に発情期を終わらせる方法がSNSなどで拡散されています。

しかし、本能による生理作用を素人である飼い主さんがコントロールするのはタブー中のタブーです。

女の子猫の膣はとてもデリケート。雑菌が入ったり傷つけたりすれば膣炎を起こす可能性があり、それが原因で命を脅かす腫瘍ができないとも限りません。

愛猫の発情を落ち着かせる方法は避妊・去勢手術が効果的

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今や社会問題となっている多頭飼育崩壊。ペットが繁殖を繰り返すことで無秩序に数が増えて飼育できる限度を超え、飼い主さんが経済的にも破綻してしまう状況のことです。

不衛生な飼育環境で十分な食事が与えられず、発病したり命を落とすペットもいて、周辺にも悪臭や騒音などの悪影響を及ぼしてしまいます。

また、飼育放棄されたペットが野良化し、ひいては殺処分の対象が増える一因ともなっています。

愛猫の発情期にブレーキを掛け、繁殖行為をストップさせるには、避妊・去勢手術以外に根本的な解決方法はありません。

女の子の避妊手術のメリット・デメリット

女の子猫の発情を短期的に抑えるには、人工的に作られた黄体ホルモン「プロリゲストン」を注射するという方法があります。

ただし、長期投与すると副作用の可能性があり、何らかの疾患があって避妊手術ができない場合や一時的に発情を抑制したい場合に限られます。

繁殖を望まない場合、女の子猫の不妊手術は初めての発情期前の生後6ヶ月頃が理想的で、妊娠・出産が可能な高齢期前の7歳~8歳頃までにすると良いと言われます。

避妊手術をすることで卵巣や子宮の疾患を防げるメリットもあります。もちろん、リスクもありますので、手術前には獣医師から十分な説明を受けましょう。

メリット・望まない妊娠を防げる
・病気や感染症予防が期待できる
・発情期のストレスや問題行動を減らせる
デメリット・妊娠・出産ができなくなる
・肥満になりやすい
・全身麻酔によるリスクがある

通常、手術から1週間~10日後に抜糸となりますが、最近は体に吸収されて無くなる糸を使用し縫合することが多く、その場合は抜糸の必要はありません。

男の子の去勢手術のメリット・デメリット

男の子猫には、女の子猫のように短期的に発情を抑制する治療法はありません。

ただし、去勢手術にも麻酔を用いますから、内臓疾患などの持病がある子や停留睾丸の子は生死のリスクがあるため手術できない場合もあります。

そうでない場合は、男の子猫は6ヶ月~12ヶ月齢に行うのが理想的と言われ、15歳くらいまでは生殖能力があるとされるので大人になっても去勢手術は可能です。

ただし、7歳を超えて中高年期になった男の子猫は、内臓疾患がないかどうか、必ず手術前に健康診断されることをおすすめします。

手術前に獣医師からデメリットやリスクについても説明を受けましょう。

メリット・望まない繁殖を防げる
・病気や感染症予防が期待できる
・マーキング行動を抑制できる
・発情中のストレスや問題行動を減らせる
・攻撃性を緩和させられる
デメリット・子孫を残せなくなる
・肥満になりやすい
・全身麻酔によるリスクがある

去勢手術することで、男の子猫は女の子を求めて脱走したり、家中マーキングしたり、ほかの男の子猫とケンカすることもほとんどなくなります。

暴れることが減り、去勢後、おとなしくなったと感じる飼い主さんが多いようです。

まとめ

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命あるものにはすべて子孫を残す機能が備わっています。当然、愛猫にもその機能発動期として発情期があります。

うるさく鳴いたり、暴れたり、オシッコをスプレーしたりと問題行動を起こしますが、叱ってはいけません。

発情期は愛猫にとってもストレスが溜まり、つらい思いをする時期です。繁殖を望まないなら、適切な時期に不妊手術を。

繁殖させるなら、生まれてきたすべての命を生涯にわたって責任を持ってお世話すること。飼い主さんの手に余るほど繁殖させ放題にしてはいけません。

可愛い子猫もやがては成猫になります。発情期になっても慌てず、冷静に対応して、愛猫と一緒に乗り切りましょう。

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