ブルドッグは雄牛を表すブル(bull)と犬(dog)から名付けられ、その昔イギリスで「ブルベイティング」という闘牛競技のために開発された犬でした。
1835年にブルベイティングは禁止され、ブルドッグは家庭犬として改良されました。
ブルドッグというと、牙のある突き出た下顎やがっしりした体つきから強くて獰猛なイメージがありますが、実際どうなのでしょう?
実は、ブルドッグには原産国によって異なる種類がいて、見た目も性格も大きな違いがあるのです。
この記事の結論
- ジャパンケネルクラブに認定されているブルドッグの種類は、全2種類である
- アメリカン・ブルドッグはJKC非公認で、ミニチュア・ブルドッグは絶滅種
- ブルドッグは皮膚病を中心とした病気にかかりやすく、日々の丁寧なケアが必要
- 見た目以上に優しい性格の持ち主で、じわじわと人気も高まっている
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目次
JKC公認のブルドッグは2種類
一般的にブルドッグと呼ばれているのはイギリス原産のイングリッシュ・ブルドッグで、フレンチ・ブルドッグはその名の通りフランス産。
手足の長いアメリカン・ブルドッグもいますが、純血犬の血統書発行などを行う一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)は正式なブルドッグと認めていません。
種類 | 原産国 |
イングリッシュ・ブルドッグ | イギリス |
フレンチ・ブルドッグ | フランス |
アメリカン・ブルドッグ(JKC非公認) | アメリカ |
ミニチュア・ブルドッグ(絶滅) | イギリス |
なぜブルドッグはこんなに種類が分かれていったのか、その歴史を紐解いてみましょう。
イングリッシュ・ブルドッグをルーツとする歴史
イングリッシュ・ブルドッグの原種オールド・イングリッシュ・ブルドッグは、12世紀~16世紀にかけて行われた牛や熊と闘う競技のために生まれました。
そのため、バランスの取れた容姿よりもとことん強さが追求され、マスティフ系犬種との交配と改良が繰り返されたのです。
けれど、動物愛護の観点から1835年に犬を闘わせる競技が禁止され、ブルドッグは衰退の危機を迎えます。
そこで、絶滅を危惧したブリーダーたちによって穏やかな性格の犬種との交配が進められ、家庭犬にふさわしい温厚なイングリッシュ・ブルドッグが誕生。
今では国犬として認められるほど、イギリスを代表する人気の犬種となりました。
絶滅したミニチュア・ブルドッグ
闘犬の禁止後、愛玩犬として開発されたのがトイ・ブルドッグとも呼ばれた、ミニチュア・ブルドッグです。
標準より小型のオールド・イングリッシュ・ブルドッグを集めて交配し、体はより小さく、性格はより穏やかに改良されました。
1850年代にはフランスに輸出され、これを元にフランスで作出されたフレンチ・ブルドッグが逆輸入されると人気が取って代わられ、1930年代に絶滅。
近年では再びミニチュア・ブルドッグの良さが見直され、再開発・復元が試みられています。
フレンチ・ブルドッグの普及
18世紀、イギリスの織物職人がミニチュア・ブルドッグを連れてフランスへ渡り、パグやテリアなどとの交配で誕生したのがフレンチ・ブルドッグと言われます。
ミニチュア・ブルドッグにはない特徴のコウモリ耳が人気を呼び、フランスだけでなくイギリスでも貴族から庶民まで愛玩犬として普及しました。
日本に紹介されたのは大正時代で、昭和の初めには数多く飼育されましたが、その後人気は衰え、2000年代に入って人気が再燃しています。
アメリカン・ブルドッグの誕生
1620年以降のアメリカ植民地時代、イギリスから持ち込まれたオールド・イングリッシュ・ブルドッグが祖先とされています。
イングリッシュ・ブルドッグが家庭犬として短い足と優しい性格に改良されたのに対し、アメリカン・ブルドッグは長い足とより闘争的な性格に改良されました。
なぜなら、アメリカに渡ったブルドッグは使役犬としての役目を負い、熊や猪を撃退することを期待されていたからです。
けれど、農場で人間と暮らすうち次第に温和な性格へと改良され、今のような家庭向きのアメリカン・ブルドッグになりました。
「トムとジェリー」のスパイク&タイク親子をはじめ、さまざまなアメリカン・アニメのキャラクターとしても親しまれています。
ブサカワなイングリッシュ・ブルドッグの特徴
短くて太い手足、マッチョな肉体、垂れ下がったほっぺた、そして表情豊かに動く目が愛嬌たっぷり。
ゴツい印象のイングリッシュ・ブルドッグですが、見かけによらず優しく友好的なので、お子さんのいるご家庭やほかのペットとの同居にも向いています。
また、飼い主さんに対して忠誠心と愛情が深く、甘えん坊なところもあり、まさにブサ可愛いところがたまらないワンちゃんです。
イングリッシュ・ブルドッグは中型犬サイズ
短足が特徴のイングリッシュ・ブルドッグは体高と体長にあまり差異がなく、全体的にスクエアな印象。
一般的に成犬は体重10kg未満が小型犬、25kg未満が中型犬、25kg以上が大型犬になるので、イングリッシュ・ブルドッグは中型犬に分類されます。
体高 | 30cm~41cm |
体重 | 男の子:25kg 女の子:23kg |
筋肉質で骨太、がっしりしたボディで、スクリューテールと呼ばれるネジのようにクルンと巻いたしっぽも特徴的です。
イングリッシュ・ブルドッグの性格は温和で勇敢
穏やかで優しく、フレンドリー。しかも、明るく陽気で活動的。辛抱強く判断力があり、飼い主さんや家族を守ろうとする勇気も持ち合わせています。
飼い主さんに対して誠実で甘え上手なので、見かけとのギャップにメロメロになってしまう人も。
ただし、頑固な一面もあり、嫌なことに対してはテコでも動かないことがあるので、しつけは辛抱強く行い、上手にできた時は思い切り褒めましょう。
イングリッシュ・ブルドッグの皮膚・被毛
イングリッシュ・ブルドッグは光沢感のある短毛ですが、アンダーコート(下毛)とトップコート(上毛)の二重構造。
ですから、春秋の換毛期にはけっこうな抜け毛があります。
一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)によって定められているスタンダード(犬種標準)の毛色は、単色またはスマット(単色にブラックのマスクとマズル)。
ただし、肉色やブラック単色、ブラックにタンのあるものは非常に好ましくないとされています。
JKCによって認められている毛色は以下となります。
- スマット(単色にブラックのマスクとマズル)
- ブリンドル(基本の地色に黒、茶色、タン、ゴールドなどの虎の縞模様のようなストライプ)
- レッド(赤褐色)
- フォーン(子鹿のような黄色の毛色)
- ファロー(フォーンより黄色味が強い淡黄色)
- ホワイト
- パイド(白地にブリンドルやフォーンなどの模様が部分的に入った毛色)
イングリッシュ・ブルドッグの平均寿命
イングリッシュ・ブルドッグの平均寿命は8歳~10歳とされています。
一般的な犬種の平均寿命は約15歳であるため、他の犬種に比べるとやや短命ということになります。
ただ、ギネスブックに記録されているブルドッグの最高齢は17歳だそうです。
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米国で人気No.1!フレンチ・ブルドッグの特徴
2023年3月、米国の愛犬家団体アメリカンケネルクラブ(AKC)が発表した2022年の人気犬種ランキングは大きな話題となりました。
31年間人気トップを独走してきたラブラドールから、ある犬種が1位の座を奪ったからです。その犬種とは、フレンチ・ブルドッグ。
日本でも、ペット保険のアニコム損害保険株式会社「人気犬種ランキング2023」で8位に入る人気犬種です。
人間の赤ちゃんを思わせる丸っこいお尻や愛嬌があって甘えん坊の性格が、飼い主さんを夢中にさせてしまう魅力と言われています。
日本ではフレブルという略称がよく使われ、愛好家同士はフレンチ・ブルドッグ専門誌が発端の「ブヒ」という愛称で呼ぶこともあるとか。
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フレンチ・ブルドッグは小型~中型犬サイズ
バッドイヤーとも呼ばれるコウモリ耳が特徴のフレンチ・ブルドッグ。見かけによらず筋肉質で、ガッチリした体型です。
JKCのスタンダード基準では、男の子が体高27cm~35cm、女の子が24cm~32cmで、上下1cm以内の逸脱は許容とされています。
また、体重のスタンダードは、男の子9kg~14kg、女の子8kg~13kgで、典型的な個体であれば500g重くても許容とされています。
一般的に成犬は体重10kg未満が小型犬、25kg未満が中型犬、25kg以上が大型犬になるので、フレンチ・ブルドッグは小型犬あるいは中型犬に分類されます。
体高 | 男の子:27cm~35cm 女の子:24cm~32cm |
体重 | 男の子:9kg~14kg 女の子:8kg~13kg |
最初のスタンダードは1898年にパリで作出されており、この年、FKC(フランスケネルクラブ)がフレンチ・ブルドッグを公認したそうです。
表情豊かなフレンチ・ブルドッグの性格
「猫のような犬」と言われることもあるようにヘソ天で寝たり、抱っこ好きだったり、甘えん坊で愛嬌のあるひょうきん者。
短いしっぽから感情を読み取ることは困難ですが、目や口が表情豊かで、うれしい時や不満な時、気まずい時も全身で感情を表します。
寂しがり屋でひとりのお留守番は苦手。フレンドリーですが、マイペースで気まぐれな面もあるので、多頭飼いの場合、突然ケンカ勃発!ということも。
下顎が強いので、子犬の頃から甘噛みを覚えさせないようしつけが必要です。
知能が高く、飼い主さんが大好きなのでしつけはしやすいですが、頑固な一面もあるので根気よくトレーニングしましょう。
ダブルコートもシングルコートもいるフレブル
フレンチ・ブルドッグもイングリッシュ・ブルドッグ同様、短毛でダブルコートが一般的です。
けれど、中には、短毛でアンダーコートのないシングルコートという、柔らかい手触りの被毛の子もいます。
基本的な毛色は、フォーン(子鹿のような明るい茶色)、パイド(白地に黒や茶の模様)、ブリンドル(黒地にベージュや白が部分的に入ったトラ模様)、クリーム(白に近い薄茶色)。
片方の目のまわりだけ黒や茶色の片パンチ、胸元だけが白いエプロン、目の淵に黒い毛が生えるアイラインなど、模様もさまざまです。
- フォーン(子鹿のような明るい茶色)
- パイド(白地に黒や茶の模様)
- ブリンドル(黒地にベージュや白が部分的に入ったトラ模様)
- クリーム(白に近い薄茶色)
- ホワイト&フォーン(白地に明るい茶やベージュが混じった毛色)
- ホワイト&ブリンドル(白地にベージュや茶のトラ模様)
なお、JKCはすべてのどの毛色でも鼻は常にブラックと規定。
特にホワイト単色の場合、目や鼻がブラックでない個体は難聴のリスクがあり、繁殖には適さないためとしています。
短命と言われているフレンチ・ブルドッグ
一般社団法人日本ペットフード協会「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」によると、中・大型犬の平均寿命は13.81歳、小型犬は14.28歳。
短命と言われているフレンチ・ブルドッグですが、平均寿命は10歳~14歳なので平均的、もしくはやや短命と言えるのではないでしょうか。
フレンチ・ブルドッグが10歳を超えると、「フェアリー(妖精)期」と呼ばれます。シニア期に入るので毎日の健康管理が特に重要となります。
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3タイプあるアメリカン・ブルドッグの特徴
オールド・イングリッシュ・ブルドッグがアメリカ合衆国に渡って改良され、誕生したのがアメリカン・ブルドッグです。
その後、一時は絶滅の危機に瀕しますが、熱心な繁殖家の努力によって以下のような3タイプのアメリカン・ブルドッグが再生されます。
タイプ | 作出者 | 特徴 |
ジョンソンタイプ (JDJタイプ、クラシックタイプ) | ジョン・D・ジョンソン | パワー重視、胸板が広く厚く、大型で筋肉質。 |
スコットタイプ (パフォーマンスタイプ、スタンダードタイプ) | アラン・スコット | 運動能力重視、足が長く、切れ長の目。 |
ハイブリッドタイプ | - | ジョンソンタイプとスコットタイプの組み合わせによる、両方の中間タイプ。 |
アメリカン・ブルドッグは大型犬サイズ
筋肉ムキムキでずんぐりした体型、大きな頭と上顎より下顎が長いアンダーショットがいかにも強そうなアメリカン・ブルドッグ。
一般的に成犬は体重10kg未満が小型犬、25kg未満が中型犬、25kg以上が大型犬になるので、アメリカン・ブルドッグは堂々の大型犬に入ります。
成犬になると、男の子は体高50cm~70cm前後、体重40kg~60kg弱、女の子が体高50cm~60cm前後、体重27kg~40kg超にまで成長。
体高 | 50cm~70cm |
体重 | 27kg~58kg |
見た目がピットブルと似ているため混同されやすいのですが、世界最強と言われるピットブルは中型犬で、アメリカン・ブルドッグのほうが大きいのです。
勇者的なアメリカン・ブルドッグの性格
家庭犬に向くように改良が重ねられたアメリカン・ブルドッグは、温和で友好的、飼い主さんやそのご家族を守る忠誠心と勇敢さがあります。
ただし、テリトリー意識が強いため、見知らぬ人に対しては用心深いので、攻撃的にならないようしつけやトレーニングが重要です。
運動好きで遊び好きなので、アジリティやタイムレースなどのドッグスポーツにチャレンジするアメリカン・ブルドッグもいます。
アメリカン・ブルドッグの毛色や被毛
アメリカン・ブルドッグも他のブルドッグ同様、短毛でダブルコート。撫でると表面はなめらかですが、硬くてザラザラした感触です。
伝統的なアメリカン・ブルドッグは白地に赤茶や黒、あるいはブリンドルが一般的でしたが、近年ではさまざまなカラーパターンが出現しています。
- ホワイト
- ブリンドル(黒地にベージュや白が部分的に入ったトラ模様)
- フォーン(子鹿のような明るい茶色)
- ブラウン
- レッド
瞳の色は通常ブラウンですが、左右の目の色が異なるオッドアイ(虹彩異色症)が誕生することもあります。
比較的ご長寿なアメリカン・ブルドッグの平均寿命
アメリカン・ブルドッグの平均寿命は10歳~15歳とされています。
イングリッシュ・ブルドッグの平均寿命は8歳~10歳、フレンチ・ブルドッグは10歳~14歳ですから、ブルドッグ御三家の中では最も長命です。
一般的に犬の寿命は大型犬ほど短く、超小型犬ほど長い傾向にあるのですが、アメリカン・ブルドッグは比較的丈夫と言えるでしょう。
ただし、その独特の体型や改良を重ねられた歴史から先天的に発症しやすい疾病も多いので、細心の健康管理が必要です。
ブルドッグの飼育ポイント
強面で筋肉モリモリの体型から怖そうな印象がありますが、ブルドッグは愛情深く忠誠心のある優しい犬種です。
ただし、しつけやケアをきちんと行う必要があり、犬を飼うのが初めてというビギナーさん向けの犬種とは言えません。
愛犬と過ごす時間が十分に取れ、一緒にゆったりとした日々を過ごしたい飼い主さん向きと言えるでしょう。
しつけはお迎えした日から始める
ブルドッグは小さめのフレブルも含め下顎が強く、噛み癖が付くとケガや事故になりかねませんから、子犬のうちから甘噛みは止めさせましょう。
どんなに小さいうちでも飼い主さんの手をオモチャには絶対しないこと。
飼い主さんと遊んでいる最中に少しでも愛犬の歯が当たったら、大声で「痛い!」と言ってその場を離れ、楽しい遊びは中断されることを覚えさせます。
以下のトレーニングは、お迎えしたその日から早速始めましょう。
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年間通して室内温度の調整は徹底する
強そうな見かけとは正反対に、遠吠えや無駄吠えが少ないブルドッグは室内飼いにも向いています。
特にフレンチ・ブルドッグは室内犬と考えたほうが良いでしょう。
ブルドッグは暑さが苦手ですので、外出時もエアコンは点けっぱなしにして、夏は23℃~26℃を目安に保ちます。
また、鼻が短いため口呼吸が多く、乾燥にも弱いので冬は加湿器などの活用を。室温は21℃~24℃、湿度は40%~50%が目安です。
季節 | 快適な室温 | 快適な湿度 |
夏場 | 23℃~26℃ | 40%~50% |
冬場 | 21℃~24℃ | 40%~50% |
運動不足にならないように毎日散歩を行う
マッスル系に見えてお散歩嫌いが多いイングリッシュ・ブルドッグ。短時間でOKなので、目的地を決めてコマンドトレーニングしながら行いましょう。
小さな体の割にお散歩好きなのがフレンチ・ブルドッグ。やりすぎると体を痛めるので、呼吸が荒くならない程度の歩調で行えばOKです。
見た目通りのアスリート、アメリカン・ブルドッグは1回3km~4kmのお散歩は当たり前。時にはドッグランを思い切り駆け回らせてあげましょう。
目安回数 | 目安時間 | |
イングリッシュ・ブルドッグ | 1日2回 | 1回10~15分 |
フレンチ・ブルドッグ | 1日2回 | 1回10~30分 |
アメリカン・ブルドッグ | 1日2回 | 1回1時間程度 |
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散歩中は足腰に負担をかけないルートを選択する
ブルドッグは体重が重いため、足や関節に負担がかかりやすくなっています。
階段や急な坂道が続く場所を歩かせすぎると、腰に負担がかかってしまうことも。
そのため、できるだけなだらかな舗装された道を散歩するようにしましょう。
真夏の散歩は時間を考慮する
夏のお散歩は朝夕の涼しい時間帯を選び、こまめに水分補給を。
真夏のアスファルトの路面は60℃を超えることもあり、体高の低いイングリッシュ・ブルドッグやフレンチ・ブルドッグは特に熱中症や火傷に注意が必要です。
無理に散歩へ連れて行って体調を崩すより、室内で飼い主さんと縄の引っ張りっこなどの遊びを工夫してみましょう。
アメリカン・ブルドッグは毎日運動しないとストレスになりますので、最近増え始めたインドア・ドッグランを利用するのも良いかもしれません。
顔や耳は清潔な状態を保つようにする
イングリッシュ・ブルドッグとアメリカン・ブルドッグは立ち耳もいますが、ローズイヤーと呼ばれる垂れ耳が一般的。
フレンチ・ブルドッグは大きなコウモリ耳。
こうした耳の特徴を持つブルドッグ族は、外耳炎などの耳の病気にかかりやすいので耳掃除が欠かせません。
耳の中まで指を突っ込むとかえって耳内部を傷つける恐れがありますので、耳の内側の汚れをペット用ウェットティッシュなどで優しく拭き取る程度でOK。
ニオイがきつかったり、赤みやただれがある場合は、すぐ動物病院へ。
肥満にならないよう注意する
全体的に丸々としたシルエットがブルドッグの特徴でもありますが、実は肥満しやすい犬種だと言われています。
ブルドッグは見た目だけでは太っているか痩せているかわかりにくいので、胸や腰の骨の感触で判断します。
できれば子犬の頃から体、顔のまわり、足、しっぽなどを触られることに慣れさせておきましょう。
下記は、犬の理想的な体型の目安となるボディコンディションスコア(BCS)です。参考にしてみましょう。
定期的にブラッシングを行う
出典:Amazon
短毛&ダブルコートのブルドッグは春と秋の換毛期に多くの抜け毛があり、短くて硬い毛なので洋服やカーペットに付くとなかなか取れません。
1日5分でもいいので、毎日1回ブラッシングしてあげましょう。
肌に優しいラバーブラシなら、シングルコートのフレンチ・ブルドッグにも安心して使えます。
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月に1~2回程度シャンプーする
出典:Amazon
ブルドッグはシワの間に汚れが溜まりやすいので、こまめに拭いてあげましょう。
シャンプー前に皮膚を傷つけにくいラバーブラシなどで優しくブラッシングして、ホコリや被毛のもつれをほどいておきます。
短頭種は皮脂分泌量が多いので月1~2回、梅雨時~夏の終わりは週に1回にシャンプー頻度を増やしても問題ありません。
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ブルドッグのかかりやすい病気やケガ
その昔、闘牛のため開発されたブルドッグは、鋭い角でも傷つきにくいたるんだ皮膚、牛に食いついても呼吸できる短い鼻などが特徴です。
強さのために改良が重ねられたのですが、その個性のために以下のような疾病も発症しやすいとされています。
皮膚炎(ひふえん) | 皮膚に炎症が起こり、かゆみやフケ、脱毛などの症状を引き起こす。 |
短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん) | 短頭種特有の病気で、呼吸に関する異常を引き起こす。 |
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう) | 膝のお皿がずれることによって膝関節を伸ばせなくなる。 |
熱中症 | 体温調節機能が働かなくなり、体温上昇や脱水症状を引き起こす。 |
外耳炎(がいじえん) | 耳の穴から鼓膜にかけて炎症が起こり、耳垢の量が増えたりかゆみが出る。 |
愛犬の様子がおかしいなと感じたら、迷わずすぐ動物病院へ。
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皮膚炎(ひふえん)
ブルドッグは皮膚のたるみやシワがあるため、皮膚炎を起こしやすいとされています。
アレルギー性の場合もありますが、ノミ・ダニなどの寄生虫、細菌の繁殖などが原因の場合もあります。
体の一部を執拗に掻いたり噛んだり舐めたりしていたら、すぐかかりつけの獣医師に診てもらいましょう。
短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)
ブルドッグやパグなどマズルの短い犬種は、呼吸困難を引き起こす疾病が重なる短頭種気道症候群にも要注意です。
睡眠時の呼吸が不自然だったり、よだれの量が異常に多かったり、吐出や嘔吐を繰り返したりしたら、短頭種気道症候群の可能性が。
症状が深刻化すると生命を脅かす危険もありますので、すぐ獣医さんへ。軽症のうちに予防的な手術をすることもあります。
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)
膝蓋骨脱臼には先天性のものと後天性のものがあり、後天性の場合は散歩中に急に走り出したり高所から落下したりが原因となります。
ジャンプした途端に悲鳴のような鳴き声を上げたり、ピョンピョン飛び跳ねるような歩き方をしたり、びっこを引いたりしたら膝蓋骨脱臼の疑いがあります。
動物病院では抗炎症剤などの投薬による内科的治療、また外科手術やリハビリテーションを用いる場合もあります。
熱中症
暑さに弱いブルドッグは熱中症にも注意が必要。暑さ負けと侮ってはいけません。一瞬にして愛犬の命を奪うことさえあります。
最初の症状は呼吸が荒くなること。呼吸音がハァハァからガーガーに変わったら、すぐ涼しい場所へ移動し、水分補給して落ち着くまで安静に。
ぐったりしているようなら濡れタオルや保冷剤で体を冷やします。舌や歯ぐきが青くなったら危険な状態ですので、体を冷やしながらすぐ獣医さんへ。
外耳炎(がいじえん)
垂れ耳の犬がかかりやすい外耳炎ですが、ブルドッグは我慢強いので日頃から耳の様子をこまめにチェックしましょう。
愛犬が何度も頭を振ったり、頭を地面にこすり付けたり、耳を掻いたり、また耳が臭かったり、多量の耳垢が出たりしたら外耳炎の初期症状です。
軽症なら1週間程度の治療で改善されますが、重症化すると治療が長期化し、外科的治療を伴う場合もあります。
ブルドッグに見た目が似ている犬種
ブルドッグ仲間が歩んできた道のりは、ある意味、交配と品種改良の歴史です。
もともとイングリッシュ・ブルドッグはマスティフ系との交配がルーツですし、パグやテリアとの交配で小型化されたのがフレンチ・ブルドッグです。
また、現在でも、アメリカン・ブルドッグとさまざまな犬種の交配によって、オールド・イングリッシュ・ブルドッグの復活や再生が試みられています。
そのため、ブルドッグとよく似た犬種がこの世には多数存在します。
パグ
18世紀、イングリッシュ・ブルドッグがフランスに渡り、パリの繁殖家がパグやテリアと交配して作出したのがフレンチ・ブルドッグとされています。
そのため、パグとフレンチ・ブルドッグには、マズルが短い鼻ぺちゃフェイス、お顔のシワシワ、短毛といった共通点があります。
相違点は、フレブルのほうが筋肉質で8kg以上に成長すること、パグは垂れ耳のローズイヤー、フレブルは大きな立ち耳のバッドイヤーなどです。
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ボストン・テリア
フレンチ・ブルドッグと最も混同されやすいボストン・テリア。それもそのはず、どちらもイングリッシュ・ブルドッグの血を受け継いでいるからです。
しかも、ボストン・テリアはイングリッシュ・ブルドッグとテリアの交配に加え、フレンチ・ブルドッグの血が入ることで完成された愛玩犬とされます。
ボストン・テリアはフレブルより小顔ちゃんでスリムな体型。足も長く、しっぽもやや長く、先の尖った立ち耳をしています。
ボクサー
19世紀半ばのドイツで、ブレンバイザーという呼称の狩猟犬とイングリッシュ・ブルドッグとの交配で作出されました。
また、改良の過程ではフレンチ・ブルドッグも掛け合わされたとされています。
アメリカン・ブルドッグとよく似ていますが、ボクサーは大型犬としては小さめで中型犬に分類されることもあり、引き締まった筋肉質の体型です。
ブルドッグ同様、気は優しくて力持ち。聡明で愛情深く、飼い主さんに従順で甘えん坊なところもあります。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
この犬種のルーツをたどると、その起源は1800年代初期のブルドッグやテリアにまで遡るとされています。
大きな違いはスッと伸びた鼻筋、たるみの少ない頬、大きな口とがっちりした下顎。成犬の体重は20kg前後で、中型犬に分類されます。
もともとは闘犬用でしたが、家庭犬として改良が重ねられ、温厚で忍耐強く、飼い主さんに忠実な犬種です。
スタッフォードシャー・ブル・テリア
この犬種も元来は闘犬用として、ブルドッグとスムース・フォックス・テリアやホワイト・イングリッシュ・テリアとの交配で誕生しました。
ブルドッグとテリアの両方の長所を兼ね備えていると言われ、飼い主さんに従順で愛情深く、パワフル&アクティブ。
アメリカン・ブルドッグと似ていますが、こちらは中型犬でイギリス生まれです。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、このスタッフォードシャー・ブル・テリアを改良したものとされています。
この記事の執筆者
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