いつもはかわいい声で鳴く愛猫が、吠えるように鳴くとき。そこには何らかの理由があります。
この記事では猫によくある鳴き方のパターンをはじめ、激しく吠えたときの対策についてわかりやすくまとめました。
我が子が激しく吠え鳴きしたらその気持ちに寄り添って、リラックスした状態に早く戻してあげたいものですね。
この記事の結論
- 「ニャオーン」という一般的な猫の鳴き方以外にも、複数の鳴き方がある
- 吠えるように鳴くときは、何らかのストレスを抱えている状態である
- 愛猫が吠えるように鳴くときは、原因を調査して取り除いてあげることが解決に繋がりやすい
- 鳴き声によって猫の気分を推測することができるため、理解しておくといざというときに便利
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愛猫が吠えるように鳴く原因
猫の鳴き声といえば「ニャー」というのがすぐにイメージできるでしょう。
しかしたまに、「鳴く」というよりも犬のように「吠える」と感じてしまう、そんな愛猫の変化も見られることがあります。
うちの子、鳴き方が変?というとき、慌ててしまう飼い主さんは少なくないでしょう。
特に、吠えるように鳴いているときはメンタルやフィジカルの問題が考えられます。
以下のようなストレスや体調不良があるようなら、早めに対処しましょう。
興奮や威嚇、喧嘩
愛猫が興奮や威嚇、喧嘩の際にいつもと違う声で鳴くのは、コミュニケーション手段のひとつです。
不快や警戒心を感じていることを示すサインと考えられます。
「ウー、シャーッ、フーッ」という鳴き声は、威嚇や攻撃的な態度をとっていることを示します。「近づかないで」という警告です。
フーフー | 興奮したり不安定な状態にあるとき |
キーキー | 苦痛や不快感を示すとき |
ギャーギャー | 不満があるときやイライラしているとき |
ンー | 不安や緊張を感じているとき |
といった鳴き声で感情を表現することがあります。
子猫の飼い主さんへの要求
子猫たちは「ミーミー、ミャーミャー」といった鳴き声で、自分の気持ちや要求を表現しています。
「ミーミー」と鳴くときはお腹が空いていることが多いようです。「ミーミー」は「ごはん!」というサインとも取れるでしょう。
また、「ミャーミャー」という鳴き声は、孤独や不安を感じている場合にもみられることがあります。
新しい環境や人との接触など、未知の状況で不安を感じた時などに「ミャーミャー」と鳴くことで、自分の存在を知らせたり、安心を求めたりしているようです。
「ミーミー・ミャーミャー」は遊んでいるときにも出ます。
遊びや刺激を求めてエネルギーが溜まっている子猫は、こうした声で飼い主さんや同居しているペットの注意を引くことがあります。
不安やストレス
不安やストレスを表現しているときは「ミャーオ、ンニャーオ、アオーン、ニャオーン、ウミャー」などといった鳴き方をします。
「ミャーオ」は何か要望があるときによく出ます。「ンニャーオ」はイライラや不満があるとき、「アオーン」や「ニャオーン」は寂しさや不安を感じるときに聞かれることが多いようです。
「アオーーーン、ニャオーーーン」と長く鳴くのは、安心したいという気持ちの現れかもしれません。
「ウミャー」は、驚きや恐怖を感じるときなどに聞かれます。
環境変化のストレスで吠えるように鳴くこともある
他の猫や動物との領域闘争や対立が起きたときに警戒心や威嚇の意図を示すために、吠えるように鳴くことがあります。
自分の領域を守り、自己防衛のために吠えるような鳴き方をするようです。
新しい人や動物の出現、極限の刺激、病気などによって不安を感じたときも、吠えるように鳴くことがあります。
また人間とのコミュニケーションを図りたいとき、例えば食事や遊びを要求したいときなど、飼い主へのアピールとして吠えるような鳴き声を使うこともあります。
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女の子の発情期によるもの
女の子は発情期に入ると、「アオーン・ウワーン」といった大声で鳴くことがあります。
避妊手術をしていれば、こうした大声を発することはありません。
鳴き声が大きいと家族は夜眠れませんし、近所トラブルに発展する可能性もあります。
発情期の鳴き声を止めるのはとても難しいです。繁殖の予定がない場合は、避妊手術を検討することもひとつの方法でしょう。
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女の子の鳴き声に反応して男の子が鳴くこともある
女の子の鳴き声に反応すると、男の子も「アオーン・ウワーン」といった鳴き方をします。
男の子の場合、鳴くことのほかにスプレー行動(マーキング)をすることもあります。
去勢していればこうした鳴き方やスプレー行動は出にくくなります。
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病気による影響
病気や怪我をしていると、「ギャッ・ギャー・アオー・オオー」などと吠えるように鳴くことがあります。痛みや不快感を感じていることの現れです。
鳴き声に加えて噛む、引っ掻くなどの行動が加わることもあります。
高齢猫が急にこうした声で繰り返し鳴き続けたときは、認知症の可能性も否定できません。早めに専門家に相談しましょう。
猫は病気やケガを隠す習性があるため、鳴き声だけで判断できるわけでもありません。日頃から観察し、鳴き声以外にも異変がないか確認するように習慣づけましょう。
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愛猫が吠えるように鳴く場合の対処法
愛猫が吠えるように鳴くときは、生活環境にストレスを感じていたり、飼い主さんに構ってもらえていなかったりと、いくつかの原因が考えられます。
これらの原因をひとつずつ確認し、吠えるように鳴いている原因を突き止めましょう。
愛猫がストレス発散できる環境を作る
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ストレス発散できる環境づくりのために、ベッドやキャットタワー、適切なサイズの隠れ家など安心できるスペースを確保しましょう。遊び道具やおもちゃなども揃えるといいですよ。
キャットニップを入れたぬいぐるみやパズルトイ等のベーシックなもののほか、魚の映像を流すなど視覚的な刺激を与えることも効果的です。
猫は基本的に、予測可能な日常生活を好みます。
食事や場所、寝床の配置などを一定にし、トイレ環境を極力変えないことも、ストレス軽減に繋がります。
愛猫と一緒に遊ぶ時間や回数を増やす
出典:Amazon
何より、飼い主さんの関心や愛情が一番大事です。定期的な遊びやふれあいの時間を設け、愛猫との絆を深めましょう。
おもちゃを使って遊んだり、ブラッシングしたりすることはもちろん、話しかけたり目を見たりするだけでも愛情は伝わるでしょう。
愛情や安心感をたっぷり与えることでストレスは大きく軽減され、吠えるように鳴くこともなくなるでしょう。
要求鳴きは状況に応じて対応する
要求鳴きは、何かを伝えようとするサインです。
ごはんや水がほしいときやトイレが汚れたときなどに鳴いて、知らせてくることがあります。遊んでほしい、構ってほしいときなどにもよく鳴きます。
要求鳴きには状況に応じて、対応してあげてください。ただし、あくまで飼い主さん主導であることを忘れないようにしましょう。
「遊んでほしくて鳴き続けている、ご飯が欲しくて鳴き続けている」といったときに、すぐ対応してしまうと「鳴けば構ってくれる」と認識してしまいます。
トイレの掃除や水が不足しているなど、健康上の問題を除いた要求鳴きに関しては、鳴き止んでから対応するのが良いです。
要求鳴きが飼い主さんの生活に影響するほど多くなってしまうようなときは、専門家に相談しましょう。
喧嘩にならないようほかの猫との接触を避ける
一頭飼いなら外との接触がないようにすれば、喧嘩やトラブルのリスクは低いでしょう。
多頭飼いの場合はそれぞれに個別のセパレートスペースを用意し、活動や食事のスケジュールを個々に設定しましょう。
そうすることで、それぞれが自分専用のスペースでの滞在時間を確保し、喧嘩によるストレスを軽減できます。
また、フェリウェイなどの猫用フェロモン製品で、安心感を与えることも試してみるといいですよ。
それでも喧嘩しようとする姿勢がおさまらない場合は、動物カウンセラーや獣医師などの専門家に相談しましょう。
女の子は避妊手術を検討する
避妊手術は術後の行動に多くの影響があると考えられます。手術によってホルモンバランスが変化し、繁殖行動や縄張り意識の低下に繋がる可能性があります。
ストレスや攻撃的な行動が軽減されることもあるでしょう。繁殖期の吠えも少なくなるかもしれません。
ただ、吠える行動はコミュニケーションの一部であり、鳴き声はさまざまな感情やニーズを表現する手段です。手術だけで問題が解決するわけではありません。
また、手術には全身麻酔などのリスクも伴います。獣医師との十分な打ち合わせの上で決定しましょう。
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病気の兆候があるならすぐに動物病院へ
以下のような鳴き方や行動があるときは病気の可能性もあります。
できるだけ早く、かかりつけ医に診察してもらってください。
- いつもと違う鳴き声
- 普段よりも鳴く
- いつも鳴くのに鳴かなくなる
- 鳴き声がかすれている
- 苦しそうに鳴く(咳、ゼーゼーする)
- 鳴きながら徘徊する
- 粗相が増える
- 異常行動(立てない、真っ直ぐ歩けない、攻撃的になるなど)をしながら鳴く
日常的な愛猫の行動を覚えておき、少しでも違った言動が見られるときは要チェック。
ケガや病気の可能性があるため、愛猫の変化を見逃さないようにしましょう。
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猫の鳴き声には色々な意味がある
猫は人や猫同士のコミュニケーションのためにさまざまな鳴き声を使います。鳴き声はそれぞれ、特定の意味や目的を持っています。
よくみられる鳴き声のパターンをいくつか、ご紹介しましょう。
「ニャッ」は挨拶の鳴き声
「ニャッ」という鳴き声は、挨拶を表現するための鳴き声のひとつと考えられます。注意を払ったり、関心を示したりする際にも起こることがあります。
飼い主さんや他の動物との接触時に「ニャッ」と鳴くことで、挨拶やコミュニケーションの意思表示を行っていると言われています。
ただ個体差があり、猫側は挨拶をしているつもりでも「ニャッ」と聞こえないこともあります。
「ニャーン・ミャー」は飼い主さんに甘えたい鳴き声
「ニャーン」や「ミャー」という鳴き声は、甘えたい時や好意を示したいときに出す鳴き声とされています。
注意や関心、愛情を示してほしいとき、要求を伝えるために使われるようです。快適さや安心感を感じるとき「ニャーン」や「ミャー」などとよく鳴きます。
鳴き声だけでなく身体の接触や態度、行動でも甘えたい気持ちを示してくることがあります。
「ゴロゴロ・グルグル」は満足している鳴き声
ゴロゴロ、グルグルは、満足や快適さを感じているときに発する音です。心地いい刺激を受けたときに、筋肉の振動とともに発生します。
たとえば飼い主さんに撫でられたり、優しい言葉をかけられたり、心地いい場所にいるとき、あるいは仲間たちとの和やかな交流の中でも聞こえることがあります。
ただし、いつでも満足や快適さを示しているというわけではなく、まれに体調不良などでゴロゴロ音を出す場合もあります。見極めが肝心です。
「カカカ・ケケケ」は獲物を狙う鳴き声
猫は獲物を狙う習性があり、狩猟モードに入ると短く連続した鳴き方をすることがあります。
このように鳴くことで、獲物に対して自身の存在感や威圧感をアピールしているとも言われています。
愛猫がこうした鳴き方をしていると思ったら、ベランダの見えるところに鳥がいたなどということも珍しくありません。
カカカ鳴き、ケケケ鳴きなどと呼ばれますが「カ」「ケ」と鳴いているように聞こえるかどうかは、聞いた人次第でしょう。
サイレントニャーは甘えと信頼のサイン
サイレントニャーと呼ばれる行動は好意や信頼のサインで、愛情を示す意思表示と考えられています。
「こっちへ来て」「撫でて」という要求を伝えたりするときにも使います。
別の行動や鳴き声が現れたり、全く違う要求をサイレントニャーで示してくることもあります。
サイレントニャーが出たときには愛情と関心を示すことで、絆を深くできるかもしれません。
愛猫が吠えるように鳴くときは原因を取り除いてあげよう
猫はストレスや不快感を感じているとき、吠えるように鳴くことがあります。
ストレスや不快感を感じないよう環境を整え、快適な生活を提供することが重要です。
十分な運動スペース、快適な寝床、トイレやフードの場所など、基本的なニーズを満たすようにしましょう。
また、よく遊んであげて満足感も与えましょう。猫用のおもちゃや遊び道具を用意し、積極的に遊び相手になることで、エネルギーやストレスを発散できます。
身体的な不調や痛みがある場合にも、吠えるような鳴き方がみられることがあります。周辺環境を整えても激しく鳴く場合は、かかりつけ医に早めに相談しましょう。
鳴き声だけでなくポーズやしぐさ、尾の動きなども愛猫の気持ちを知るための重要な要素です。鳴き声や行動を通して、愛猫の気持ちを深く理解できるといいですね。
愛猫の鳴き声はしつけで解決できる?
結論から言えば、全く不可能ではないものの、しつけという考えでは難しいと言えます。
犬であればトレーニングにより少しずつ学習するものですが、猫は犬のようなトレーニングができるわけではありません。
特に鳴くことは猫としての本能からの行動。無理に抑制すると、今まで以上に鳴くことが多くなる可能性も考えられます。
猫のしつけ方法とされている天罰式
よく言われるのが、猫のしつけには「天罰式」という方法が取られており、危険な行動を取ったときに天罰が下るということを理解してもらう、という方法です。
「愛猫に対して天罰とは…」と思われるでしょうが、あまりにも危険な場合にはこうした方法が必要なケースもあります。「コラ!」と短く低い声を発したり、霧吹きで驚かせたり、という行動が取られます。
ただ、いずれにしても愛猫自身に、何をどうすると危険なのかを理解してもらう必要があります。
「鳴く=要求が通る」と思わせないことが重要
もっとも現実的な方法としては、鳴いても自分の要求が通るわけではない、と理解してもらうことです。
ワガママや威嚇によって鳴いているときにはその場を離れ、相手にしないことで愛猫自身に「鳴いても要求は通らない」と理解してもらうのです。
そして鳴かなくなってから、静かになってから相手をしてあげることで、「鳴かなければ要求が通る」と思ってもらえるようにするのです。
ただ、この方法は同時に鳴き声を我慢する期間が生まれます。当然、鳴き声の大きさによってはご近所トラブルに発展することもあるでしょう。
これを理解した上でお迎えすることはもちろん、先回りでストレスになるようなことを解決してあげると、大声で鳴くことは少なくなりますよ。
この記事の執筆者
nademo編集部
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