「愛猫がキャットフードを食べてくれず、好みの味が分からない」
「何時間もごはんを食べてくれず、どこか具合が悪いのか不安になってしまう」
猫を飼っていると、食事に関する悩みはつきもの。猫は食欲にムラがあり、好き嫌いも多いため、ごはんを食べてくれない原因もさまざまです。
都度不安になると心労も絶えないため、今回は猫がごはんを食べない原因と対処法、気をつけたい病気について解説します。
愛猫の食欲で悩んでいる方、キャットフードの与え方に興味のある方はぜひ参考にしてくださいね。
この記事の結論
- 猫は本能的にごはんを少しだけ残すため、一部を残しているだけなら大きな心配はない
- ごはんに全く手をつけない場合や、少ししか食べない場合には病院へ
- ごはんの種類や場所、器などを変更してみることで食べるようになることもある
- 食事の心配があっても、食事中に観察はせず、食べ終わってから確認する
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目次
愛猫の食事事情は普段から把握しておく
猫の食事は人間同様、体の基礎となる部分なので、満足のいく食事がとれていないとケガや病気のリスクが高まります。
毎回、食器の片付けをしていれば見逃すことも少ないと思いますが、必要な量を食べ切れているか確認しておきましょう。
食べ始めるのにかかった時間や、どれくらいの時間で食べ終わっているのか、そうした普段からの確認が万が一に備える重要な情報になります。
食事中に観察するのは良くありませんが、きちんと食べているかどうかは、飼い主さんとして確認しておく必要があります。
猫がごはんを食べない原因
猫は食欲にムラがある動物なので、時にはあまりごはんを食べてくれないことがあります。
とはいえ、食べない期間が続くと心配になりますよね。
ごはんを食べない理由は色々あり、単純に味に飽きてしまったことが原因であったり、環境が問題なこともあります。
ここでは猫がごはんを食べない理由について、それぞれ解説していきます。
ごはんが合わない、飽きて食べない
猫はもともと好き嫌いの多い生き物。味だけでなく香りや食感などにも敏感です。
多くの猫は離乳期の子猫時代に食べていたものの味を好む傾向があります。
あまり食べてくれない場合は、子猫の時に食べていたフードを少量混ぜてあげるなど、工夫するのも良いかもしれません。
また、同じ味が続いてしまうと飽きてしまっている可能性もあります。
他のフードを少し与えてみて好みの味を探ってみるのも良い方法です。
おやつの食べすぎ
愛猫がおやつをねだる仕草はとても可愛いもの。ついつい、たくさんおやつをあげたくなってしまいますが、あげ過ぎは禁物です。
おやつは嗜好性が高いため、一般的には食いつきのよい食べ物です。しかしおやつばかり食べている偏食が進むことで栄養が偏り、健康を害してしまう恐れもあります。
主食には総合栄養食などの栄養バランスのとれた、キャットフード中心の食生活を心がけましょう。
ストレスが原因で食べない
ごはんを食べない原因のひとつは、ストレスです。
下記のような環境の変化がストレスになってごはんを食べなくなってしまうこともあります。
- 気温の変化
- 引っ越しをした
- 新しい家族が増えた
- 病院へ行った
- 家周辺で工事が始まった など
猫はちょっとした変化にも敏感です。新しい家族や知らない人が自分のテリトリーに入ってくると、警戒して食事を控えてしまうことがあります。
また、引っ越しも猫にとっては大きなストレス。新しい環境になるべく早く慣れさせてあげることが大切です。
家具の配置を以前の家と同じような場所にしたり、猫用品は替えずに同じものを使ってあげるなど工夫すると良いでしょう。
猫は環境の変化によるストレスを受けやすい動物です。
愛猫の様子をよく観察して、不安を感じていそうなら撫でてあげるなど、ストレスを緩和する方法を探してあげましょう。
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運動不足でおなかが空いていない
猫も人と同じで、身体を適度に動かさないと食欲はわきません。
愛猫が適度に運動できるようにスペースを確保したり、キャットタワーを備え付けるなどして、環境を整えましょう。
また、身体を動かさないことはストレスにもつながってしまいます。
毎日少しの時間でもよいので集中して遊んであげることが大切です。
ケガや加齢で身体が動かせないときは、マッサージや負担のかからない運動など、できる範囲で愛猫の活動量を増やしてあげましょう。
発情期が影響して食べない
発情期にも食欲は低下しがちです。特に避妊や去勢手術をしていない猫に発情期の食欲低下はみられます。
普段よりも甘えてきたり、独特の声で鳴いているようであれば発情期の可能性が高いでしょう。
猫の発情期は定期的なものではなく、日照時間に影響されると言われています。
そのため、明るい部屋で生活している場合、発情期が頻繁に訪れることも。
12時間以上明かりの灯った部屋で生活している場合は、発情期が訪れる頻度が高くなるようです。
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老化よる食事量の変化
歳をとると活動量の低下に伴い食事の量も減少していきます。
単純に食べる量が減る以外にも、食器までの距離が遠い、器が低くて食べにくいなど、老化による身体能力の低下が食欲の減少につながっているのかもしれません。
そのような場合はエサを複数箇所に置いてあげたり、食べやすい食器を用意するなど、ストレスなく食事を楽しめる環境を整えてあげると良いでしょう。
また、食欲自体が衰えている場合は、猫用のふりかけをかけたり、ウェットフードを少量混ぜるなどして香りを強くしてあげると食いつきが良くなります。
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病気で食欲がない
消化器や泌尿器、もしくは歯肉炎など、身体に異常があるときは食欲はありません。吐いたり、下痢をするなど異常がある場合は注意が必要です。
ごはんを全く食べなくなってしまっていたら、病気やケガを優先的に疑う必要があります。様子を見るべきではなく、緊急性が高いケースもあるのです。
猫は体調が悪いのを隠すクセがあるので、元気がなくぐったりしていたり、水も飲まないときなどは、早目に獣医師に診てもらった方がよいでしょう。
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愛猫がご飯を食べないときの対処法
食欲を高めるには香りや味、環境などで愛猫が食事を楽しめるコンディションを整えてあげることが大切。
愛猫の食欲を向上させるための対処法について見ていきましょう。
ごはんの種類を変える
フードが猫の好みでない場合や飽きてしまったときは、キャットフードの種類を変えてあげると食べてくれることがあります。
チキンが好きな子もいれば、白身魚が好きな子もいます。
もしも今のフードの食いつきが悪いようであれば他の味を試してみると良いでしょう。
また、ドライフードが苦手な場合はウェットフードもおすすめです。
ウェットフードの方が香りが強いこともあり、食いつきが良いことが多く、食欲も改善されるかもしれません。
ご飯の与え方を工夫する
食欲がわかないときには、食べやすくしてあげたり、食欲をそそるように香りを強くしてあげる必要があります。
以下の方法を試してみましょう。
ご飯をぬるま湯でふやかす
キャットフードにお湯をかけてふやかすと香りが立って、愛猫の食欲を刺激します。
子猫やシニア猫など、フードが硬くて食べにくそうにしていたら、お湯で柔らかくしてあげるとよいでしょう。
また、歯肉炎などで口が痛い場合もふやかしてあげると食べやすくなります。
お湯をかけるときは高温ではなく、人肌程度のぬるま湯でふやかしましょう。
あまり温度が高いとビタミンなど、キャットフードの栄養素を壊してしまう恐れがあります。
レンジで人肌程度に温める
レンジで軽く温めるのも簡単に香りを強くする良い方法です。
口の中を火傷しないように人肌程度の温度に加減して、熱のムラがないように混ぜてあげましょう。
温めるときは他の食品のニオイがうつらないようにラップしてあげるのがポイントです。
猫は匂いに敏感なので、日頃からレンジの中を小まめに掃除しておくと良いですね。
粒を砕いて与えてみる
食べにくそうにしていたらキャットフードの粒のサイズが合っていないのかもしれません。
食べやすいように砕いて与えてあげると良いでしょう。
大きな粒を丸呑みすると胃がびっくりして吐き戻してしまうことがあります。
愛猫の食事のスピードを見ながら、食べやすい粒の大きさに調整してあげましょう。
猫用ふりかけをトッピングしてみる
出典:Amazon
キャットフードに飽きてしまったときや加齢で食が細くなってしまった場合には、猫用ふりかけが有効です。
食べ飽きたフードに混ぜ込むと、目に見えて食いつきが良くなると評判。
食べ残しが多い子でも、完食してしまうほど喜んで食べてくれます。
ふりかけ以外におやつとしてそのまま与えても大丈夫。お湯でふやかしても良いでしょう。
生の国産ササミを一本ずつ丁寧にほぐし、フリーズドライで旨味と香りと栄養を閉じ込めた、こだわりの国産ふりかけです。
おやつの量を減らす
おやつを与えすぎてご飯がお腹に入らなくなっていることもあります。
おやつはあくまで嗜好品なので、コミュニケーションツールとして一日の総摂取カロリーの20%以内に抑えて与えましょう。
あまりおやつを与え過ぎると栄養バランスが偏るだけではなく、好き嫌いが激しくなり、偏食が進んでしまいかねません。十分な注意が必要です。
猫が食べやすい環境を作る
おいしくごはんを食べるには、食べやすく清潔な食器や落ち着いて食べられる食事環境が必要です。
愛猫にストレスなく食事を楽しんでもらえる環境を整えましょう。
ヒゲが当たりにくい食器に変える
食事中にヒゲが食器にあたると気になってご飯を楽しめません。
実は猫のヒゲは好感度のセンサー。ヒゲが少しでも器に触れると振動が根本にハッキリと伝わります。
ヒゲには一本一本神経が通っており、空気の流れを読み取るほど敏感です。
ストレスなく食事を楽しんでもらうためにも、猫用食器はヒゲが当たらない間口の広い物を選びましょう。
匂いがつきにくい食器に変える
食器に匂いがついて食欲が減退してしまうことがあります。
陶器製の食器は、プラスチックやステンレスに比べ匂いがうつりにくいためおすすめです。
ある程度の重さがあって、安定感のある陶器製の食器を選んであげるとよいでしょう。
プラスチックの食器は落として割ってしまう危険性が少なく便利ですが、細かい汚れが付きやすく雑菌繁殖の原因に。
また、ステンレスの食器はかすかに金属臭がするため、苦手に感じてしまう子もいます。
食器は常にきれいなものを使う
食事後の食器は猫の唾液などが付着して雑菌が繁殖しています。
匂いの問題だけでなく、衛生的にも使用後の食器はできる限り毎回洗ってあげることが大切。
私たち人間の食器も使ったら毎回洗うように、愛猫にもキレイな状態の食器で食事を楽しんでもらいましょう。
食事場所を静かなところに変える
猫は落ち着いた環境を好む生き物です。騒がしい場所では周りを警戒して安心して食事を味わえません。
テレビの横などはストレスが掛かるので止めたほうがよいでしょう。
スペースを作るのが難しい場合は仕切りを置くなど、落ち着ける空間を作ってあげるのがおすすめです。
愛猫と遊ぶ時間を増やす
出典:Amazon
完全室内飼いが一般的な猫は、遊ぶ時間が足りなくなっているケースも少なくありません。
そんなときには遊ぶ時間を増やして運動量をあげると、食欲が増進されることがあります。
猫の好きなキラキラとした羽やリボンで、本能を刺激してあげましょう。
1日5分~15分程度、集中して遊んであげることは、食欲の向上だけでなく、ストレスの解消にも効果的です。
食べない状況が続く場合は病院へ
食欲不振といっても、ごはんを食べなくなる原因は様々。
ごはんの種類や与え方を工夫してみても改善が見られない場合は、病気を疑った方がよいでしょう。
食欲がないときに考えられる病気や、病院に連れて行くまでの時間の目安についてご説明します。
食欲不振のときに考えられる病気
消化器の病気 | 胃拡張捻転症候群、腸閉塞、慢性胃炎、便秘など |
肝臓の病気 | 慢性肝炎、肝硬変など |
口腔内の病気 | 口内炎、歯周病など |
ウィルス感染症 | 猫パルボウイルス感染症、猫カリシウイルス感染症など |
食欲不振のときに考えられる病気としては上記のようなものがあります。
口内炎や歯周病で口の中が痛くて食欲が出ない場合や、ウィルスに感染して元気がなくなってしまう場合もあるでしょう。
特に気をつけたいのが、小さめのおもちゃを誤飲して、腸に詰まり腸閉塞を起こしてしまうケース。誤飲の場合は早急に手術をしなくてはなりません。
病気かもしれないと思ったら、愛猫の様子を注意深く観察しましょう。
もしも嘔吐や下痢、大量のヨダレなど、食欲不振以外の症状で苦しんでいるときは早急に動物病院を受診することが大切です。
ごはんを食べない愛猫を動物病院に連れていく目安時間
年齢 | ご飯を食べない時間 |
生後1~2ヶ月 | 8時間以上 |
生後2~3ヶ月 | 12時間以上 |
生後3~4ヶ月 | 16時間以上 |
1歳以上 | 24時間(1日)以上 |
猫は元々、食欲にムラがある動物です。
緊急性がない場合はしばらく様子を見てから、動物病院へ連れて行くとよいでしょう。
上図を参考に、何も食べない時間が長い場合は獣医師に相談してみてください。
あまりに食欲がない場合は何かしら異常が起きている可能性が高いので、専門家の意見を聞くことが大切です。
愛猫の状態や体調についての見解を聞けるので、仮に問題が見つからなくても、今後の食生活を見直すきっかけになりますよ。
愛猫の食事中に避けるべきNG行動
愛猫の食事中は食事に集中できるように配慮してあげることが大切。
食事中に避けるべきNG行動について解説します。
食事中に触れたり撫でたりする
食事中も可愛い愛猫。食べている最中も、スキンシップを取りたくなることがあるでしょう。
しかし、食事中には触れたり撫でたりしないほうが良いです。
特にお迎えしたばかりのときは、まだ警戒心が解けていないため、食事に集中できなくなってしまいます。
愛猫がごはんを食べている姿はとても可愛らしいので、つい触りたくなってしまいますが、あまり構わずに食事を味わせてあげましょう。
食事の様子を見つめる
相手をじっと見つめる行為は、猫の社会では威嚇やケンカを意味する行動です。
基本的にはじっと見つめるのは止めたほうがよいでしょう。こちらから見つめると猫からも見つめてくるものですが、これは愛情表現ではなく様子を伺っているだけです。
信頼関係が構築されているのであれば、見守られることに安心感を覚える子もいます。
ただ、できれば距離をとったり、少し目線をそらすなど、愛猫にストレスを与えないように気を配ってあげましょう。
食事中に大きな音を立てる
食事中は無防備な状態なので、大きな音を立てると猫を驚かせてしまいます。
安心してごはんを食べられるよう、大きな音は立てないように気をつけましょう。
猫は聴覚に優れているため、食べている間も周りの音には敏感。警戒しながら急いで食べると、嘔吐にも繋がるので注意が必要です。
愛猫の気持ちに配慮してリラックスできる環境を整えてあげましょう。
この記事の執筆者
nademo編集部
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