第1話で1匹目の信虎をペットショップから、第2話で2匹目の葵を保護猫団体ラフスペース(東京都調布市)からお迎えした話を書きました。
わが家の3匹目の獅子丸は、繁殖業者が53匹の猫を一斉に放棄したためにやって来ました。
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執筆・監修
ライター、動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士
会員制猫専用ホテル&ペットシッターキャッツカールトン代表。
動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。猫の保護活動のためにブログ「ねこねこ王国」運営をはじめた知見を活かし、現在は動物ライター&デザイナーとしても活動。
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目次
53匹一斉に放棄されたうちの一匹だった獅子丸をお迎えする
東京都調布の保護猫団体ラフスペースでは、人間の都合で放棄された猫たちを保護しています。
2匹目の葵は悪質な繁殖業者のところからラフスペースに保護された猫でした。
葵を飼いはじめて1年ほどしたころに「53匹の猫が一斉に放棄されて困っています、預かってもらえませんか」というお知らせがきました。
2匹目の飼育にも慣れ、家にもスペースがあったので、再びラフスペースにお邪魔すると、そこに獅子丸がいました。
獅子丸をお迎えしようと思ったきっかけと最初の印象
獅子丸は本来、体が大きい猫種。個体によっては10キロほどある子もいますが、獅子丸は3.6キロほどしかなく、発育不良だったのかもしれません。小柄でさわってみるとガリガリに思えます。
獅子丸と一緒に放棄され、保護された子の中には、背骨が折れたまま何年も治療してもらえない子などもいました。
猫が捨てられる理由は、わたしには理解できないものばかりでした。
繁殖業者からは先天的なものだけでなく、ほんの少し治療をすれば治るような鼻炎や膀胱炎といった病気でも、治療費や手間がもったいないからと放棄されることもあるのです。
ペットショップからお迎えした飼い主からは「いびきがうるさい」と返品された子の話を聞いたこともありました。
わが家に獅子丸をお迎えした理由
ラフスペースに着くと、わたしの顔を見るなり愛嬌を振りまく獅子丸は、私に向かってごろーん、ごろーん、とお腹を見せてくねります。
だいたいどこの団体でも、保護した後は、初期医療といって、駆虫、病気の検査、避妊去勢手術などをしています。
とはいうものの、どんな病気があるかなど、すぐにはわからないことも多いです。通常ならなかなか決断できないわたしでしたが…獅子丸をお迎えすることには迷いが一切なかったです。
令和3年(2020)年の7月、獅子丸を三匹目としてお迎えしたいという申し出はスムーズに決まりました。
ラフスペースから先にお迎えした葵の様子をSNSでわたしはたびたび投稿しており、大変喜ばれています。
保護猫団体では手間をかけてお世話をした子たちがどうしているのか、その後を知りたい、幸せにしている姿をみるのが楽しみで、過酷な保護活動を続けているので、これを読んだ方は、ときどきお便りするのもいいし、SNSなどで、お迎えしたこの様子を報告してくださいね。
わが家にやってきた獅子丸に、先住猫がパニックに
一点懸念は、獅子丸はラフスペースでも、他の子としょっちゅうケンカしていたことでした。
うちの先住の二匹は比較的おだやかな性格で、実家の犬とも仲良くしていたので、大丈夫だろうと思いましたが…。
令和3(2020)年7月、いざ獅子丸がやってくると、先住の二匹は獅子丸がキャリーケースから登場したとたんに「キャー」「ぎゃー」といわんばかりに一目散に逃げて、遠巻きに。
日記には「初めて獅子丸を見た葵、わたしの腕に顔を押し付けてワンワン人間みたいに泣く(鳴く)。アチャー?」と記録が…。
※新しい猫をお迎えしたときは1週間ほどは別の部屋化ケージで隔離して、少しずつ対面させていきます。
最初の1週間、獅子丸が出てくると他の猫は逃げまわり、パニックになっていました。
頭を悩ませていたとき、ふと目に止まったのが「猫は相手の顔の大きさで体の大きさ(強さ)を判断する」というどこかに乗っていた文章。
獅子丸は顔の周りにライオンのようなタテガミがあります。
もしやと思い、獅子丸にペット用のお洋服を着せて、フードを一瞬かぶせてみました。なんだか別の猫みたいです。
フード付きの犬用の服を着せて、タテガミを隠した獅子丸(服は数回だけ使用)
するとどうでしょう。それまで逃げ回っていた猫たちは、獅子丸を見てピタッと一瞬動きがとまります。
「ん?こいつ、顔が小さい?」
顔が小さい→体が小さい→弱い?と思ったのかどうか。
信虎が獅子丸に対して突然強気になり、追いかけ回すように。一転して獅子丸は逃げ回る役に変わります。
2週間ほどはドタバタ追いかけっこをしていましたが、飽きたのか、ある日ピタッと取っ組み合いや追いかけっこが止まって、共存するようになったのです。
この方法はマニュアルにもどこにも出ていないし、たぶん、獅子丸以外にはたぶん効果はないと思います笑。
猫をよく観察していれば、ちょっと人間が工夫することで、スッとうまくいくこともあるのだなぁと思いました。
もう1個気をつけたコツとしては、先住猫をとにかく一番優先すること。フードは家に来た順番にあげること、といった具合です。
ラフスペースの代表さんは「獅子丸に友達ができるとは思わなかった」と大変喜んでくれました。ラフスペースとの大事な出会いに感謝しています。
獅子丸自身は子供のようにはしゃいで走り回ります。
人間にはベタベタで、とにかく甘えん坊。ただ他の子を押しのけてわたしを独占しようとする、自分が前に出ようとします。
今もニャン間関係を根気よく教えています。
家庭で普通に飼えるのは3匹くらいまでだと思います。他の多頭飼育の方にも聞きましたがだいたい同意見でした。
誰かが体調を崩すと次々に体調を崩したりして、みんなを通院させなくてはいけなかったり。
そんなわけで、多頭飼育位は注意しましょう笑。必ず避妊去勢もしてくださいね。
この記事の執筆者
執筆・監修者の情報
ライター、動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士
会員制猫専用ホテル&ペットシッターキャッツカールトン代表。
動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。慶應義塾大学卒、大手企業で企業で広報、編集、校正の仕事に従事していた経験や、猫の保護活動のためにブログ「ねこねこ王国」運営をはじめた知見を活かし、現在は動物ライター&デザイナーとしても活動。
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