別れはつらいものですが、その後には必ず新しい出会いがあります。
愛猫コウは、私が20年以上連れ添った夫との別れの後、我が家にやってきました。
今ではパートナー…というより、リモートで働く私の「在宅部長」よろしく、毎日厳しくスケジュールを管理しています。
そんなコウですが、これまで保護主さん宅から熱海の我が家、熱海から東京の仮住まい、東京から神奈川の現在宅と、3回の引越しを経験。
猫は環境の変化を嫌うので、転居に当たってはいろいろと気を遣い、準備しなければいけないこともありました。
就職や転職、結婚などでやむなく転居しなければならない飼い主さんのご参考になればと、これまでの顛末を綴ります。
担当執筆者
編集部
3歳の頃、TVアニメで黄色い魔法のカバンを持った幸せの猫・FELIX君に出逢い、恋心を抱く。
現在、“在宅部長”こと2代目保護猫(去勢♂)と暮らしながら、nademoの記事を書かせていただいています。
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目次
保護主さんの車の前に突然現れたハチワレ茶白の子猫
2015年の夏のある日、通称「南箱根」と呼ばれる静岡県のリゾート地に住む愛猫家のMさんが、修善寺でマイカーを走らせていました。
すると、目の前の路上に何か小さな白い塊が動いているのを発見します。
Mさんは車を止めて降り、近づいてみました。
小さな白い物体は、石ころをオモチャにして遊ぶハチワレ茶白の子猫でした。
「このまま放っておいたら、車に轢かれてしまう!」
そう思ったMさんは、すぐに子猫を抱き上げ、近くに母猫がいないか探しました。
けれど、母猫も兄弟らしき子猫の姿も見つかりませんでした。
動物病院で推定6月生まれの子猫と判明
Mさんは2匹の保護猫ちゃんと暮らしていて、修善寺にはその子たちのかかりつけの動物病院があります。
そこで、すぐにハチワレ茶白の子猫を車に載せ、その動物病院へと向かいました。
獣医さんの診察では、推定6月生まれの男の子で、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ・FIV)の検査も陰性で心配ないとのことでした。
獣医さんは保護猫活動にも熱心な地域でも評判の猫思いの方です。
Mさんは獣医さんに託すことも考えましたが、いったんは自ら引き取ることにし、動物病院でも里親募集の告知をしてもらうことにしました。
保護主さん宅で先住猫たちに飼い猫としての心得を教わる
ハチワレ茶白の子猫はMさん宅でお風呂に入れてもらい、ノミ取りもしてもらって、しばらくケージの中で過ごすことになりました。
やがて、2匹の先住猫たちとご対面。先住猫ちゃんたちはこの小さな新入りを不審がっていましたが、子猫のほうはまったく動じなかったそうです。
先住猫の茶トラの男の子はちょっと神経質な性格だったのですが、なぜか子猫はこの茶トラ先輩が大好きで後ばかり追うようになりました。
茶トラ先輩にしてみれば迷惑千万。子猫があまりにしつこいと時々教育的指導をしていたようです。
子猫は、先輩猫たちにトイレや爪とぎの仕方を教わり、ご飯をモリモリ食べて元気に走り回っていました。
「二度と猫は飼わない!」私の決心を打破した子猫
その頃、私はといえば、夫と別れたばかりで少しばかり怠惰な生活を送っていました。
そんな私を心配して、友人が「子猫を飼わない?」とLINEを送ってくれ、彼女の友人であるMさんを紹介してくれました。
Mさんが送ってくださった子猫の写真に、思わず知らず一目惚れ。
実は、私は熱海に住む前、東京の渋谷区に住んでいて、そこでも男の子の愛猫と暮らしていました。
甘えん坊のキジトラで18歳まで一緒に過ごしましたが、この子を天国へ見送った時、こんなにも辛く悲しい経験は二度としたくないと思いました。
「もう猫なんて飼うものか!」と思っていたのですが、可愛い子猫の写真はそんな私の決心をいっぺんに覆すほど威力があったのです。
愛用のベッド、トイレ、ぬいぐるみも一緒に
Mさんが何もかも用意してくださっていたので、お迎え入れの準備はそんなに大変ではありませんでした。
保護主さん宅で使っていたモフモフのきのこ型ベッド、子猫用トイレ、そして大好きなニャンコぬいぐるみも一緒に持たせてくれることになりました。
私が用意したのは、猫砂、食器、キャリーバッグ、来客時の隠れ場所兼脱走防止のための折りたたみ式ケージくらいです。
おまけに離乳食もすでに卒業していたので、ごはんも獣医さんおすすめの子猫用カリカリフードでOKだったので楽でした。
1回目のワクチンも接種済みで、ほんとうに至れり尽くせりのMさんには感謝しかありません!
人に寄り添う幸せと書いて倖(コウ)と命名
Mさんは「いずれ里親さんが呼び名を決めるだろうから」と、あえて子猫に名前をつけなかったそうです。
保護猫だったので、人間と共にいつまでも幸福に暮らしてほしいという願いを込め、人に寄り添う幸せと書いて倖(コウ)と名付けることにしました。
さて、いよいよお迎えです。
秋晴れの9月の休日、新しいキャリーバッグを持って、私は南箱根のMさん宅へ向かいました。
次回は「イタズラ子猫降臨!」。いろいろやらかしてくれました…。
この記事の執筆者
執筆者情報
楠 涼
編集部
3歳の頃、TVアニメで黄色い魔法のカバンを持った幸せの猫・FELIX君に出逢い、恋心を抱く。
現在、“在宅部長”こと2代目保護猫(去勢♂)と暮らしながら、nademoの記事を書かせていただいています。
また、キャットヘルスケアアドバイザー資格取得にチャレンジ中ですので、皆様の愛猫の健康生活に役立つ情報をお届けしてまいりたいと存じます。
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