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日本犬を代表する柴犬。海外でも「Shiba inu」の愛称で親しまれ、世界的にも人気があります。
実は、国の天然記念物にも登録されているほど、歴史的価値の高い犬種でもあります。
そんな柴犬には、いくつか種類があることをご存知ですか?
本記事では柴犬の種類や特徴、一緒に暮らすにあたってのポイントなどを解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
この記事の結論
- 柴犬は全部で5種類存在しており、日本全国に固有の柴犬が存在する
- 公認されている柴犬とは違い、豆柴というのは犬種ではない
- 大柄な土佐犬や秋田犬などと比べて、日本犬の中では小柄な部類に属する
- 人気犬種とのミックス犬も最近ではとても人気が出てきている
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柴犬は5種類存在する
一口に「柴犬」といっても、実は柴犬は全部で5種類に分かれます。
これは、育った地域によってさまざまな違いが生まれ、各地域ごとの特色を持つ「地柴」が存在するためです。
犬種名としては「柴犬」の1種類で登録されていますが、毛色や顔立ちなどの特徴がそれぞれ異なります。
ここでは、柴犬の種類と特徴を解説します。
信州柴犬(しんしゅうしばいぬ)
現在の柴犬のベースとなっているのが信州柴犬。日本で飼育されている柴犬のほとんどが信州柴犬だといわれています。
長野県や群馬県周辺の山間部で、狩猟犬として活躍していました。
額が広く、耳は小さめの三角形。家族には従順に接し、それ以外の人にはあまり興味を持たないクールな性格の子が多いです。
柴犬の名前の語源は、信州地方の柴村なのではないかという説もあります。
美濃柴犬(みのしばいぬ)
狩猟犬としての柴犬の特性をもっとも色濃く受け継いでいるのが、美濃柴犬です。
古くから岐阜県でタヌキやアナグマなどを狩る犬として活躍していました。
もともとは中型犬くらいの大きさでしたが、戦時中の混乱を経て小型の犬たちが残ったといわれています。
毛色は緋色と呼ばれる鮮やかな赤毛。一般的な柴犬はお腹に白い毛が生えている子が多いですが、美濃柴犬は緋色一色です。
近年数が減少しており、絶滅のおそれもある希少な柴犬です。
山陰柴犬(さんいんしばいぬ)
山陰柴犬は、鳥取県鳥取市周辺の地柴です。
鳥やうさぎを狩る猟犬として活躍していた柴犬で、弥生時代・古墳時代に朝鮮半島から渡ってきた犬が祖先だといわれています。
しっぽの先が上を向く「太刀尾」や、しっぽが巻かずに背中を指す「差尾」を持ちます。
頭部がやや小さく、耳も小さめ。目の色素が濃くまつ毛がよく見えるのが特徴です。
縄文柴犬(じょうもんしばいぬ)
日本最古の犬である縄文犬を復元しようと作出されたのが、縄文柴犬です。
すでに絶滅したとされる縄文犬によく似た風貌の柴犬を掛け合わせ、直近60年ほどで作られました。
顔は面長で足は長く、尻尾はくるりと巻いているのが特徴です。
縄文柴犬というのは犬種名ではなく愛称であり、日本犬保存会によって名付けられました。
川上犬(かわかみけん)
川上犬は、長野県南佐久郡川上村をルーツとする柴犬です。
山梨・埼玉・群馬・長野に跨る山岳地帯に生息していたニホンオオカミを飼い慣らしたものといわれており、大きな体に狼のような鋭い目つきが特徴。
川上村は標高1,400mにも達する寒い地域であり、川上犬はマイナス25度の極寒にも耐えられるといわれています。
長野県の天然記念物に指定されており、その希少さからお迎えの際には厳しい審査を通過する必要があります。
豆柴は正式に認められた犬種名ではない
子犬のように小さい体と愛らしい顔が人気の豆柴は、実は正式な犬種名ではありません。
昭和後期、体の小さめな柴犬を掛け合わせて繁殖させ、「豆柴」との名称で出回るようになりました。
あくまで一般的な柴犬よりも体のサイズが小さい柴犬というだけであって、豆柴という別の犬種というわけではありません。
柴犬と豆柴のサイズの違い
一般的な柴犬と豆柴のサイズの違いは以下のとおりです。
柴犬 | 体高:35cm~41cm 体重:8kg~10kg |
豆柴 | 体高:28cm~34cm 体重:4kg~6kg |
日本犬保存会が認めている標準的な柴犬の男の子の体高・体重を下回る体格の子を豆柴、それよりもさらに小さい子を小豆柴と呼んでいます。
そのため、「豆柴としてお迎えしたはずが成長すると、普通の柴犬と変わらないサイズになった」というケースも実際に発生しています。
もし、思っていたよりも大きく育ってしまったとしても個性として捉え、変わらずに愛情を注いであげてくださいね。
柴犬の基本情報
日本犬は秋田犬・土佐犬といった体の大きな犬が多い中、柴犬は比較的小柄な部類に入ります。
バランスがよく引き締まった、コンパクトな体型です。
表情が豊かであり、まるで笑っているかのような愛らしく親しみやすい顔立ちが魅力。
飼い主さんに忠実であり、古くから人間のパートナーとして活躍してきました。
昭和11年には、国の天然記念物にも指定されています。
主人に忠実で警戒心が強い
飼い主には忠実だが、独立心もある
警戒心から多くなることもある
元々猟犬であったため、運動能力は高い
その他情報
原産国 | 日本 |
犬種グループ | |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 12歳~15歳 |
なりやすい病気 | 食物アレルギー性皮膚炎,アトピー性皮膚炎,膿皮症 |
参考価格 | 10万円~40万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | 胡麻,赤,赤胡麻,黒褐色,黒胡麻,白 |
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柴犬の歴史
柴犬の歴史は古く、祖先は縄文時代に生息していた縄文犬であったといわれています。
原始時代、先住民族が南方移住してきた際に一緒に日本へ渡ってきたのだとか。
しかし、明治時代に洋犬が次々と輸入され交雑化が進むにつれ、本来の柴犬らしさが徐々に失われていきました。
そこで、「日本犬の特質を後世に残す、保存する」を目的に、日本犬保存会が設立。
純粋な柴犬の絶滅を防ぐため、柴犬のみでの交配がなされています。
柴犬の性格
賢くて物覚えがよく、飼い主さんに忠実な性格。
ですが頑固で自立心の強い一面があるため、信頼関係や主従関係をうまく築けていないということを聞かない場合も。
飼い主さんや家族以外の人にはあまり興味を持たず、クールに接します。
しかし、一度主人であると認めると裏切らないという従順さも兼ね備えており、子犬のうちに覚えたしつけを守り続けるという真面目な性格です。
愛犬のことをよく理解して接することが重要だといえるでしょう。
柴犬の毛色と被毛
柴犬の被毛は、短毛のダブルコート。モフモフとした被毛を持っていることでも有名ではないでしょうか。
毛色のバリエーションは豊富であり、主な毛色は以下のとおりです。
- 胡麻
- 赤
- 赤胡麻
- 黒褐色
- 黒胡麻
- 白
一番、柴犬らしいといえる毛色は赤。原色の赤色ではなく、いわゆる明るめの茶色のような色です。
黒い毛色の柴犬には、眉毛のような可愛らしい斑が入る子もいます。
柴犬の平均年齢
柴犬の平均寿命は12歳~15歳といわれています。
犬全体の平均寿命と比べてみても、標準的な長さであるといえるでしょう。
体の丈夫な犬種ですが過信することなく、なるべく長生きできるように健康管理をしてあげてくださいね。
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柴犬がかかりやすい病気
アトピー性皮膚炎(あとぴーせいひふえん) | 環境中のアレルゲンによってかゆみを伴い、進行すると炎症や脱毛が生じる皮膚の病気。 |
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう) | 膝のお皿がずれて脱臼し、歩行に障害が出る。 |
股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん) | 股関節が十分に成長せず、歩行に障害が出る。 |
甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう) | 代謝を活発にする働きがある甲状腺ホルモンの分泌が低下し、元気がなくなったり脱毛などの症状が出る。 |
認知症 | 老化に伴い認知機能が少しずつ低下し、様々な障がいが見られる病気。 |
柴犬はほかの犬種と比べて病気になりにくい丈夫な犬種であるといわれていますが、関節や骨の病気にかかってしまう場合も。
また、皮膚が弱くアトピー性皮膚炎にかかりやすい傾向があります。
認知症は、柴犬など日本犬によく見られる病気で、認知機能が低下することで、さまざまな行動障害が起きるため、シニア期を迎えてからのケアが大切です。
普段から健康状態をよく確認し、いつもと違う様子や気になる点があれば早めに動物病院に相談しましょう。
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柴犬の顔のタイプ
柴犬の顔は、キツネ顔とタヌキ顔の2つのタイプに分かれます。
それぞれの顔の特徴は以下のとおりです。
特徴 | 該当する柴犬の種類 | |
キツネ顔 | 細長い輪郭で凛々しい顔つき | ・山陰柴犬 ・縄文柴犬 |
タヌキ顔 | 全体的に丸みがあり愛嬌のある顔つき | ・信州柴犬 ・美濃柴犬 |
キツネ顔はマズルが長く、目尻が上がっています。
タヌキ顔はキツネ顔から派生したといわれており、マズルは短く首が太めでしっかりしているのが特徴です。
柴犬のしっぽの種類
柴犬のしっぽは、巻き尾と差尾の2種に大きく分かれます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
巻き尾 | 左右のどちらかにしっぽが巻かれている |
差尾 | しっぽを巻かずに、半円を描ききれない状態で背中を指している |
巻き尾・差尾のいずれもリラックスした状態のときは巻き方がゆるやかになり、緊張した状態だとぐっと力が入ったように強く巻かれます。
愛犬の気持ちや精神状態を知りたい場合は、しっぽに注目してみてくださいね。
柴犬の飼育ポイント
柴犬と一緒に暮らす際のポイントを解説します。
犬の性質・性格などをよく理解して向き合うことが重要です。
子犬期に社会性を身に着けさせる
柴犬はとても賢い犬種ですが、自立心が強い一面があり飼い主さんとの信頼関係が築けていないと指示に従わない場合もあります。
また、もともと狩猟犬であった本能から警戒心が強く、無駄吠えなどの問題行動に繋がる可能性も。
しかし、一度主人であると認めた人には従順で裏切らない心の強さも持っています。
愛犬の性格をよく理解して早いうちから良好な関係を築き、社会性のある子に育てましょう。
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室内は常に綺麗な状態をキープする
柴犬は肌が弱く、アトピー性皮膚炎にかかりやすい犬種です。被毛もダブルコートでモフモフとしているので、気づきにくい部分もあるでしょう。
しかし、部屋が清潔でなくホコリや細かいゴミなどが付着しやすい状態だと、皮膚が荒れやすくなってしまいます。
愛犬自体のケアはもちろんのこと、こまめに掃除をして清潔な室内をキープしましょう。
毎日の散歩で十分な運動をさせる
以下の時間や距離などを目安に、毎日散歩に連れていきましょう。
目安回数 | 1日2回 |
目安時間 | 1回30分~1時間 |
目安距離 | 2km~ |
もともと狩猟犬であった柴犬は、とても活動的で運動量も多いです。
運動不足によりストレスを溜めてしまうと、無駄吠えなどの問題行動に繋がる場合も。
休日にはドッグランで思い切り運動させてあげるとストレス発散になり、ほかの犬や人と接することで社会性も養えるでしょう。
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こまめにブラッシングを行う
出典:Amazon
ブラッシングはこまめに行い、きれいな被毛をキープしてあげてください。
柴犬は短毛種なので毛が絡まったり毛玉ができる心配はありませんが、ダブルコートの被毛なので換毛期には大量に毛が抜けます。
抜け毛除去専用のブラシもあるので、活用してみてくださいね。
換毛期以外にも皮膚・被毛の衛生状態を維持するため、こまめにブラッシングしてあげましょう。
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定期的にシャンプーをする
出典:Amazon
定期的にシャンプーをしてあげると、より清潔な状態を保てます。1~2ヶ月に1回を目安としてシャンプーをしてあげてください。
無添加や低刺激のシャンプーを選べば、皮膚の弱い子でも安心です。
過度にシャンプーをしすぎると必要な皮脂まで取り除いてしまうので、注意してくださいね。
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歯磨きは子犬のうちから慣れさせる
出典:Amazon
愛犬が健康に過ごすために、歯のケアは大切です。人間同様に歯磨きを行うことは、口腔内のケアというだけでなく、さまざまな病気の予防をすることができます。
歯周病になってしまうと口腔内のトラブルばかりか、歯が溶けてしまったり、慢性心不全・慢性腎不全などの原因となることもあります。
子犬のうちからしっかりと歯磨きに慣れさせて、習慣づけをしていきましょう。
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柴犬のミックス犬の種類
柴犬とほかの犬種を掛け合わせたミックス犬も、とても人気があります。
ミックス犬は個体差が大きく、「唯一無二の存在をお迎えしたい!」という気持ちが強い人におすすめです。
ここでは特に人気のある柴犬のとのミックス犬をご紹介します。
ポメ柴(柴犬×ポメラニアン)
柴犬とポメラニアンのミックスであるポメ柴。
体格は小さめの柴犬、被毛はポメラニアンのようにフサフサとしたダブルコートになることが多いです。
ポメラニアン・柴犬ともに警戒心が強く神経質な面があるため、ポメ柴にもそのような性格が現れがち。
子犬の頃から社会性を身に着けさせるようなしつけが重要となります。
また、ポメ柴は柴犬の運動能力・スタミナを受け継いでいる子が多い傾向があります。
運動不足によりストレスを溜めさせないよう、気をつけてくださいね。
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柴チワ(柴犬×チワワ)
柴犬とチワワのミックスである柴チワは、「チワ柴」と呼ばれる場合も。正式な名前は存在しません。
柴犬とチワワは体の大きさにかなりの差があるため、成長後の体型が予測しづらいです。
同じ両親から生まれても、兄弟で体型がまったく異なる場合もあります。
性格・毛質などに関しても、柴犬とチワワのどちらの要素が強く出るかは予測が難しく、成長を経て変化することも。
神経質な面が優勢になると、飼い主さん以外には攻撃的になりがちです。
子犬のうちから社会性を身につけるトレーニングを行いましょう。
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柴プー(柴犬×トイプードル)
柴犬とトイプードルのミックスは柴プー。海外ではPoo-Shi(プーシ)と呼ばれています。
トイプードルのような小柄な体型に、尻尾は柴犬のようにくるりと巻いていることが多いです。
耳は柴犬とトイプードルとの特徴が合わさり、半立ち耳になる子が多いのだとか。
柴犬の忠実さとトイプードルの人懐っこさを兼ね備えた子が多く、飼いやすいミックス犬であるといえるでしょう。
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シバーギー(柴犬×コーギー)
柴犬とコーギーのミックス、シバーギー。
2種の共通の特徴である立ち耳を受け継ぎ、顔立ちはキリッとした子が多いです。
体の大きさには個体差がありますが、コーギーの短足を受け継ぐ子が多い傾向があります。
毛色は赤が多いですが、3色が合わさった黒胡麻のような色の子も存在します。
柴犬・コーギーともに警戒心強いため、吠え癖がついてしまわないよう子犬のうちからしっかりとしつけましょう。
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柴リアンハスキー(柴犬×シベリアンハスキー)
柴犬とシベリアンハスキーのミックスは、柴リアンハスキーと呼ばれています。
この2種は体の大きさは異なるものの体型は似ているので、小さめのシベリアンハスキーといった印象になります。
活発で遊び好きの子が多いので、しっかりとコニュミケーションをとってあげることが重要。
日本では珍しいミックス犬で、ブリーダーさんの数も少ないため見かける機会はあまりないといえるでしょう。
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この記事の執筆者
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